梅のマーケティング戦略が必要

 最近、梅の消費拡大につながる可能性があるニュースが相次いで発表された。一つは大手飲料メーカーのキリンビール㈱がみなべ町の高城や清川地区で栽培される梅を原料とした梅酒「キリン梅まっこい(真っ濃い)」の本格的な販売を開始したこと。もう一つは県うめ研究所が紅色に着色する性質がある品種「露茜」について人工的に果実の着色を高める方法を確立したこと。露茜は自然の中では着色が不安定だが、安定的に果実から紅色色素を抽出できるようになると、梅ジュースや梅酒などを製造する飲料メーカー等に原料としてアピールすることができるという▼梅はみなべ町などの産地にとっては大きな基幹産業だが、最近では梅の価格が低迷して「経営が苦しい」という声が聞かれている。日本政策金融公庫等が6月に同町内の梅農家を対象に行ったアンケートでも、9割を超える回答者が経営の現状について苦しさを感じているというデータもある。20年ほど前には1次加工品の梅干しが1たる(10㌔)で1万5000円、南高の青梅も10㌔当たりで7000円の高値をつけていた時期もあったが、近年では半値に落ち込んでいる▼ピーク時、梅は「青いダイヤ」とまで呼ばれ、栽培さえすれば高値で売れる時代もあった。しかし、いまはそうもいかない。付加価値をつけて販売するなど何らかの手立てが必要で、産業全体の底上げ対策も講じなければならない。今後は栽培した梅をいかにして売るかが課題で、産地にマーケティング戦略が試されているといえる。今回発表された「キリン梅まっこい」の本格販売、露茜の着色技術の確立がその対策となることを期待したい。    (雄)

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