期待値を裏切らない政治を
- 2011/9/17
- 日高春秋
人の感覚や感性を数値化して県の特産品に付加価値をつけようと、「県特産品への感性付加価値付与検討委員会」が和高専教授らの呼びかけでことし7月に発足した。先日みなべ町商工会南部川分館で第2回研修会が開かれ、脳波に詳しい長岡技術科学大学工学部の中川匤弘教授を講師に招いて「喜び」「怒り」「満足度」「幸福度」などを数値化して商品開発に応用できることを学んだ▼最先端の研究で、オリンピックで金メダルを獲得した高橋尚子選手の靴にもこの技術が使われていたそうだ。靴を履くことから感じる「安心感」や「心地よさ」などを数値化し、走るのに適した素材を選んでつくり上げたそうだ。もっと身近な例でみてみると、洗髪剤ではサンスター(大阪)のトニックシャンプーでも爽快さを数値化して商品開発しているという▼商品のパッケージから受ける「期待度」についても数値化できるという。それが消費者の購買意欲につながるが、パッケージから想像した商品の期待数値が高くても、実際に使用してみると「期待はずれ」ということも。購入者は次回からその商品を購入することを控える傾向となるため、パッケージと商品の内容を一致させることも販売戦略では重要だという▼政治の世界では野田佳彦氏が総理大臣に就き、新内閣が発足して2週間が経過した。大臣が失言問題で辞任となるなど波乱含みのスタートとなっているが、現在は高い支持率だ。支持率はいわば内閣への国民の感性や感情が数値されたデータともいえる。期待値を裏切ることのないように、「正心誠意」で取り組んでもらいたい。 (雄)