住民が求めている情報提供へ

 台風12号で甚大な被害を受けた日高川町。あの美しかった町並みが、一晩で見るも無残な姿に変わった。4日早朝、川辺大橋から目にした光景にあ然。日高川の濁流が堤防からあふれ、民家等が完全に水没。川は波打ちうねりを上げ、あまりの恐ろしさに足がすくんだ。その後迂回を繰り返しながら中津と美山に入ったが、水が引いたあとの流域は、民家が流失、全半壊し、無数の家々が浸水し泥まみれ。町はがれきや流木であふれかえり、山の法面は崩れ、道路はえぐりとられ、橋は崩落。テレビで見た東日本大震災の被災地のようで胸が締め付けられた。
 住民に当時の川の状態や避難の模様など話を聞いたが、その恐怖に足が震えた。翌日からも家の掃除で忙しいのに、時間を割いて当時の様子や現在の心境などいろいろなことを話してくれて、「兄やんも大変やなあ。あまり大きなマスコミに取り上げられてないからこの状況どんどん書いて伝えてよ」と逆に励まされ、「テレビがあかんから情報が入ってけえへんねん。頼むで」などとゲキまで与えてくれる。
 町の情報提供という点では確かに町もライフラインや道路網などの復旧、被害の情報収集、その他さまざまなことへの対応に追われている状況でそこまで行き届かないのであろうが、住民はライフラインにしろ交通事情にしろ現状と今後の予定、見通しなど知りたがっている。議員も6日の全協で情報不足を指摘していた。
 筆者も何らかの形で力になりたいが、情報という点においては微力ながらも伝えられる。1日も早い復旧、復興を心の底から願うとともに、きめ細やかな情報と町民の皆さんの励ましとなるような取材に努めていきたい。       (昌)

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