台風には名前がある

 台風にはすべて名前がついているが、日本ではすべて番号で呼ばれ、その名が紹介されることはあまりないのは不思議な気がする。3日に四国に上陸した台風12号は、「タラス」という名だ。フィリピン語で「鋭さ」を意味するという◆調べてみると、台風の名はあらかじめ決まった140種類の名が順につけられ、140番までいくとまた1番に戻るのだそうだ。日本を含む14の国と地域(カンボジア、中国、北朝鮮、香港、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、ミクロネシア、フィリピン、韓国、タイ、アメリカ、ベトナム)のそれぞれの言葉で各10種類。次に発生する13号は韓国考案の「ノルー(ノロジカ)」、14号はタイ考案の「マラー(バラ)」という名になる◆気象用語も日々変化している。台風の規模を表す言葉で、以前は気圧や風速に応じて「弱い」「並の強さ」など細かく表現されていたが、「きく人が過小評価して備えがおろそかになる恐れがある」とのことで、平成11年からはそれらはすべて単に「台風」と呼び、規模の大きなものだけに「強い」「非常に強い」などの形容詞をつけることになった。言葉の印象に配慮した、きめ細かい対応だと思う◆台風の名が報道されないのは、あまりにもひんぱんに訪れる災害だからいちいち名を覚えるまでもなく、番号で十分だということだろう。思えば海に取り囲まれたこの小さな島国は有数の火山国でもあり、太古の昔から地震、津波、台風と大自然の脅威にさらされていた◆そんな中で粘り強く倒されてはまた立ち上がり、文化をこんなにも発展させてきたことに感動すら覚える。過去の災害からも立ち上がらせてくれたその粘り強さは、いろんな場面で底力となって働く。
       (里)

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