地域活性化と赤字施設

 日高川町の公的施設の管理運営を行っているふるさと振興公社の平成22年度経常収益は約1億846万円の赤字だった。14施設のうち黒字は鳴滝キャンプ場、道の駅SanPin中津など4施設。このほか10施設は赤字で、特にきのくに中津荘、美山温泉愛徳荘など温泉施設やかわべの天文公園、テニスコートが厳しい状況だ。公社は18年4月に町村合併に伴う公的施設の管理運営の再編で設立。管理運営の一元化、施設や従業員間の連携、従業員講習、積極的なPR活動、経費節減策などで経営改善を図り幾分かは実を結んだが、設立以来5期連続1億円以上の営業損失となった。民間企業なら完全にアウトである。
 観光が盛んな日高川町。道成寺など名所旧跡に始まり、笑い祭、フジまつり、体験型観光、山びこなど観光関連を挙げればきりがないほどで県内トップレベル。赤字施設とはいえ、観光振興の一翼を担っていることは確かで、相乗効果をもたらすことで観光地やイベントの一層の誘客につながっている。例えば、ゆめ倶楽部21の体験型観光もこれら施設とのタイアップで幅広く展開、団体客も取り込めている。地域経済、雇用の面も含め、地域活性化へ貢献しているといえるだろう。
 さて公社の損失だが、毎年町が約1億円の委託料などで補てん。言うまでもなく税金が投入されている。地域活性化、観光振興のためと多少なら目をつぶれても、やはり毎年1億円は大き過ぎる。現状打開へ町は公的な力では限界と判断した。7月1日から指定管理者を民間委託する方針だ。英断だがむしろ遅かったぐらいで、改善・存続への最終手段でもある。東京に本社をもつ企業に内定しているようだが、民間の経営能力、ノウハウに期待を寄せたい。     (昌)

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