自動栽培は希望の光

 先日、西日本で初めて導入されたという全自動土耕栽培装置を取材した。外観は一般的なビニールハウスだが、中には普通のハウスでは考えられないような配線や機器が並ぶ。全自動というのは、耕すところから種まき、水・肥料やり、刈り取りまでを機械が行ってくれるもので、一部手作業はあるものの、一日がかりの作業が数時間で終わるなど労力が大幅にカット。さらにすごかったのは機器に備え付けられているセンサーが作物の上を巡回して生育状況をチェックし、同じハウス内でも日当たりの違いなどでそれぞれにあった肥料の量を調整。またカメラも付いており、ハウスに行かなくとも、また外出先からでもノートパソコンでチェックできる。「植物工場」と呼ばれていたが単純に効率的に生産するだけでなく、手作業以上の良質な作物ができ、まさに最先端の農業という感じがした。
 装置を導入したのは印南町印南の清水章広さん(40)。農業を始めてまだ数年と経験は浅いが、以前働いていた農協で培った知識と、何より「常に新しい農業にチャレンジしよう」という精神を持っている。過去には1株から2個取りのメロン栽培にも取り組み、現在も順調だという。
 日本の農業人口は減少し続けている。高齢化が進み後継者不足も問題になっており、今後もさらに減り続けることが予想されている。そんな中、こういったITを駆使した手法は従来のイメージを覆し、農業人口増加への希望の光になるかもしれない。西日本で初めてで、全国的にも最も本格的に取り組んでおり、名実ともに最先端の農業技術。さらに盛んになり印南が先進地となることを願いたい。   (城)

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