いざというときの自主防

 国内史上最大となった東日本大震災は、東北地方沿岸部を中心に甚大な被害を出した。テレビでは連日、普及活動の様子などが映し出され、家族を捜してがれきの上を歩く被災者の姿には、なんともいえない気持ちになる。
 巨大地震による津波の影響は日本の全沿岸に及び、和歌山でも大津波警報が発令された。結果的に県内は大きな被害はなかったものの、和歌山市から串本町まで沿岸部18市町の計約19万4000人に避難勧告・指示が出された。日高地方では山間部の日高川町を除く御坊、美浜、日高、由良、印南、みなべの6市町で合計500人以上が避難したが、内訳は御坊194人、美浜38人、日高61人、由良128人、印南6人、みなべ82人と、印南の少なさが目立った。
 数字は自治体が把握している分であって、筆者の印南の知り合いにも「山間部の親戚の家に避難した」という人がいたように、自主的に行動した人はほかにいただろうが、それにしても周辺町との差が大きい。町では他市町と同様に放送などで呼びかけていたというが、なぜだろうか。
 理由の一つに自主防災会の組織の遅れが挙げられるだろう。町内の自主防災会は現在、33区のうち30区で設立されているが、そのほとんどが平成22年中の発足。数年前にほぼ全地域で発足した周辺町などに比べて、経験の浅さは否めず、訓練の回数にもかなりの差があるだろう。
 印南町は過去に津波で甚大な被害を受けており、決して町民の意識が低いわけではないと思う。しかし、いざというとき行動に移せるかは、やはり日ごろの訓練が重要。地域の避難意識を高める自主防災会の必要性をあらためて実感した。        (城)

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