となり組の内容を見直せ
- 2011/3/17
- 日高春秋
東日本大震災。甚大な被害状況が明らかになりつつあり、胸が締め付けられる。死者、安否不明者は2万人を超えるという報道もあり1人でも多くの無事を願う。そんな中、日高地方の各市町も被災地の復興支援へ動き出した。筆者が担当の日高川町はジビエ料理まつりや世界一長い焼き鳥挑戦などイベント中止を決定。個人的には妥当な判断だったと考える。救援物資として、イベントの食材などを焼き鳥対決で交流がある福島県川俣町へ送る準備を進めている。
近い将来、高い確率で発生するとされる東南海・南海地震。防災対策は一刻を争う。日高川町では、となり組プロジェクトという独自のソフト的な取り組みを展開。コミュニティーを強化し、住民同士が助け合えるシステムを構築する取り組みで、職員から区長、自主防災組織へと防災の輪を広げており、町歩きで危険個所や避難場所を確認するほか、図上訓練で災害時の対応や連携方法なども探究。有識者や阪神淡路大震災の被災者らを招き、講義や体験談を聴くなどで防災意識を高めている。このほか全職員の防災士資格取得を決め、一般住民の取得助成も来年度予算で計上した。
今回の被災地となった地域は、これまでも何度か津波に襲われたことがあり、住民の意識も高く、防災設備も強かった。想像を上回る地震と津波の脅威。それだけに、となり組は予想以上の災害にどれくらい機能するか分からないが、日々の取り組みや備え、心構えは被害を必ずや小さくするはず。ここ数年で住民意識は相当高まったように思うが、いざというときのために一層綿密な計画、連携の強化、頻繁な講習会開催など内容をいま一度見直す必要がありそうだ。 (昌)