可能性考えた訓練想定を

 東日本大震災・津波発生からきょうで5日目。今回は地震による直接的な被害よりも海から押し寄せてくる大津波で多くの人命が奪われ、建物が崩壊した。場所によっては海岸から数㌔離れた集落でも壊滅的な打撃を受け、津波の恐怖というものをまざまざと思い知らされた。
 筆者の自宅は、海岸から直線距離にして3㌔程度になるだろう。正確な海抜については把握していないが、比較的低い土地だ。今回の地震発生後、家内から「大津波が発生したら、この場所は大丈夫か」と問われた。これまで「海からは離れている」という認識だったが、果たして「遠く離れている場所」と言えるのか。今回の大津波の状況からみると、その考えを否定せざるを得ない。
 日高地方でも、これまで南海・東南海大地震に対する避難訓練が各地で行われている。筆者が担当するみなべ町でも毎年9月に「紀伊半島沖で地震が発生して津波が襲来する」という想定のもと、一斉避難訓練を実施。住民が近くの避難場所に逃げ込むという内容だが、「避難場所が本当に安全といえるのか。もっと確実に安全な場所への避難はできないのか」など、検討する必要性もあるのではなかろうか。
 災害には地震、津波、洪水、台風などいろいろとある。それぞれの被害の可能性についてよく考えた事前の想定が大切で、地形などその土地の状況に応じた訓練も必要になる。近い将来には南海・東南海地震の発生がいわれ、日高地方でも大きな被害がシミュレーションされている。東日本で発生した地震・津波は決して人ごとではない。今後は、今回の災害からどう教訓として生かしていくかが重要だ。        (雄)

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