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 このところ読み応えのある新刊が多かったから、書くのも多くて大変だ。

 「海街diary」8巻「恋と巡礼」(吉田秋生著、小学館)。
        
 表紙絵がいつも、ほんとに綺麗だなあ。
 緑の深い、夏の神社の石段。元気にのぼってくるすずと風太を見下ろす構図。
 1枚めくると、扉絵はまっさおな空に入道雲、その下に広がる緑の茶畑。たたずむ日傘のシャチ姉とすず。

 今巻の主役は三女のチカちゃん。と、すず。

 チカの秘密がすずの秘密にもなり、しかしそれはもっと重みを増す前に、天候という天の采配によって明るみに出される。
 
 チカの妊娠と、父親である浜田さんへの告知に関しては。
 幸と佳乃、全然対照的なようでも、やっぱり一本筋の通ったところはよく似た姉妹なんだなと思わせてくれる、見事な展開。
 みんなそろってそれぞれの幸福をつかみとっていく、そんな力強い未来への予感を感じさせてくれる巻でした。
 
 元アフロ店長浜田さんのネパールでの話が、なんだか自分でも思いがけないほどググッときました。
 亡くなったシェルパ、アン・パサンの家を訪ねた浜田と友人の高山。

   居間にあの時ぼくが撮った写真が飾ってあった
   (真っ青なエベレストの上空に白い点描のように鶴の群れが飛ぶ)

   アン・パサンの奥さんが話してくれたよ
   彼は酔うといつも言ってたそうだ
   エベレストの女神は決して無慈悲なんかじゃない
   鶴に託して
   二人にチャンスを与えたんだ......って

   女神は彼らの答えを待っている
   二人は必ずここへ戻ってくる......ってね

   おれと高山は もう涙が止まらなくて

   周りも気にせず 大泣きしちゃったよ

 「おれと高山は
  もう涙が止まらなくて」
 のコマ。
 読み返すたんびになぜかここでツーンと鼻が熱くなって、こっちも涙がにじんでくるのでした。
 それは、涙の止まらない「おれと高山」の顔が。
 本当に泣いてるから。
 シンプルな絵なのに。大きなコマでもないのに。
 凄い。

 帯にあったけど、吉田秋生さん「画業40周年」!なんですね。
 凄い。
  ず~っと第一線。
 中学生の時、「カリフォルニア物語」1巻の表紙で真っ青な空を背にしたヒースに惚れこんで以来のファンです。
 「BANANA FISH」のハードな世界も、「きつねのよめいり」や「ざしきわらし」の世界も、どの世界も生き生きみずみずしくて血が通ってて、凄い。
 昔の短編の、「最後の夏」や「解放の呪文」も好きです。

 

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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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