必要なのは自信と誇り

 県外から日高地方へ移ってきた人の話。大型商業施設の進出によって、商店街がシャッター通りとなっている現状は御坊だけでなく、以前、その人が住んでいたまちも含め、地方はどこも同じ状況にあるという。

 30年前、県内の高速はまだ吉備までしか開通していなかった。友達と不健康な麻雀をしながら夜中に腹が減り、吉野家の牛丼を食べたいがために、わざわざ高速に乗って和歌山市まで出かけたこともあった。

 いま、御坊には大手外食チェーンがいくつもあり、高速はすさみまで延び、ホームセンターや家電量販店もある。食べたいもの、買いたいものはほとんど地元で間に合うが、気持ちは満たされず、不便だった30年前の方が楽しかった気もする。

 日本中、昔に比べればどのまちも住みよくなっているはずだが、和歌山県の人口は毎年1万人も減り続けている。これを食い止めなければ、せっかくできた飲食店はもちろん、すべての産業が持続できない。

 少子化対策は国家の課題で、この危機を救うため、国は同時に本気で移民の受け入れを進めなければならないのではないか。インバウンドの多さを見ても、それだけ日本に魅力があるという話であり、外国人労働者も嫌いな国には来ない。

 日本は移民先進国に学びたい。仏の歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は、「日本の文化は間違いなく人類史の素晴らしい達成の一つである」とし、日本は受け入れる移民の文化を隔離・共存させようとせず、移民を日本人に同化させるべきだと訴える。

 日本人は自国の文化や歴史、勤勉で他人を思いやる精神の素晴らしさに自信と誇りを持てという話。台湾の李登輝元総統、マレーシアのマハティール首相らもやはり同じことをいう。(静)

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