万葉集にみる大和の精神

 初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す――。新元号「令和」の出典となった万葉集梅花の歌三十二首の序の一節。現代語は「新春のよき月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き…」となる。

 考案者と目される国文学者中西進氏は、令和の「和」は十七条の憲法の「和をもって貴しとせよ」という言葉が思い浮かぶという。朝刊のそんな記事を読んであらためて、聖徳太子の大陸と対等の外交を振り返り、日本人の慈悲を尊ぶ国づくりに思いが至る。

 天皇や権力者だけでなく、防人の兵士や名もない農民も同等に並べ、独自の万葉仮名で編纂された万葉集。漢字の発祥ながら、周辺国を属国とみなす中華とは、完全に異なる精神文化の集大成ともいえよう。

 北朝鮮の金朝鮮労働党委員長が経済制裁緩和を条件に、米国との首脳会談を行う用意があるとの考えを示した。韓国にも「仲介者の振る舞いをするのではなく、民族の利益を擁護する当事者になれ」と注文をつけた。

 民族の利益が祖国統一を指すのであれば、その障害の在韓米軍を取り除かねばならない。親北革命政権下の韓国では先月、仁川市議会の与党議員が朝鮮戦争の上陸作戦で被害を受けた住民への補償条例制定を提案、可決されたという。

 補償をすべき加害者は敵の北朝鮮ではなく、韓国を救った米国とマッカーサー率いる国連軍であるというから開いた口がふさがらない。反日に飽き足らず、米国、世界を敵視するまでになったか。

 令和の時代が始まるいま、東アジアは69年前の朝鮮戦争開戦時と変わらぬ緊張状態にある。日本は慈愛と気概の大和の精神で未来を開きたい。(静)

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