日高町で天路山城学ぶ歴史講座

 日高町歴史講座「湯河氏の城―その歴史と魅力―」が24日、中央公民館で開かれ、120人が参加。同町比井の天路山城(通称比井城)について学んだ。亀山城に次ぐ規模だったこと、城主とされる湯河弘春は湯河一族の中でも重要な位置だったと思われることなど詳しく語られ、来場者は興味深く聞き入った。松本秀司町長は冒頭のあいさつで、城跡の一部が避難路の工事で破壊されたことで謝意を表した。

 町、紀伊考古学研究会、和歌山城郭調査研究会、和歌山地方史研究会主催。松本町長は工事での破壊について「今後二度とこのようなことのないよう文化財への意識を高める。避難路は位置を変える形で見直しを行っている」とした。

 近畿大文芸学部の新谷和之さん、和歌山城郭調査研究会代表の白石博則さん、公益財団法人和歌山県文化財センターの川崎雅史さんの3人が研究成果を報告。新谷さんは「奉公衆湯河氏と湯河弘春―天路山城の城主を考える―」をテーマに語り、天路山城は「湯河氏の山城としては本城の亀山城に次ぐ規模」と説明した。城主は、亀山城最後の城主湯河直春のいとこ嶋右馬允(うまのじょう)。戦国時代に比井等を支配していた湯河弘春と同一人物と考えられると解説し、室町将軍足利義昭が織田信長に京を追われ興国寺に滞在した時、弘春に直春へのとりなしを依頼したことなど例を挙げて「対外的な交渉の窓口として重要な存在だったと思われる」と話した。

 白石さんは「湯河氏関連城郭と天路山城」をテーマに語った。「亀山城は日高平野を一望でき、どこからもよく見える日高地方のシンボル的存在だった。天路山城も港や比井、津久野の集落がよく見える。亀山城と小松原館のように、有時に立てこもる詰め城と平時の居館がセットになった『根小屋式城郭』。今回の工事で詰め城と居館をつなぐ部分が破壊されたのは残念。中世のことは放っておくと何もわからないが、丁寧に調べていくことで地域の歴史が細かいことまで解明されていく」と、城郭研究の意義を話した。

 川崎さんは「考古学からみた湯河氏の城―湯川氏館跡の発掘調査成果を中心に―」をテーマに、2013年度調査で発掘された遺構、出土品等からわかったことを報告した。

 パネルディスカッションでは報告者の3人がパネラーとなり、質疑応答の形で湯河氏や城の魅力について語り合った。

写真=天路山城の城主について語る新谷さん

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