解説本「戦国和歌山の群雄と城館」発刊

 和歌山城郭調査研究会(白石博則代表)の編集による「戦国和歌山の群雄と城館」が戎光祥出版から発刊された。県内に残る中世の城跡90カ所について、図面や写真を交え詳細に紹介。日高地方では亀山城主の湯河氏、手取城主の玉置氏の城館をはじめ17カ所が掲載されている。執筆会員の1人、池田尚生さん(75)=御坊市島=は「地元の城館についても詳しく書いていますので、お役に立てていただければと思います」と話している。

 「図説 日本の城郭シリーズ」の第12巻として出版。3部構成で、1部は中世の紀伊国守護だった畠山氏の城館20カ所、2部は「紀伊国人たちの城館」として湯河氏、玉置氏らの城館38カ所、3部は「宗教勢力の城館」として高野山や雑賀衆、熊野三山などの城館32カ所を紹介している。

 湯河氏の城館は御坊市、日高町、美浜町、印南町、田辺市の13カ所。池田さんは本城である亀山城、紀央館高と湯川中敷地にまたがる小松原土居(小松原館)の執筆を担当した。

 湯河氏について「日高平野のシンボル的な亀山の山頂に城を築いた湯河氏は、南北朝の頃、日高地方に進出し、標高三十メートルの蛭ケ崎に陣を構え、在地の豪族を制圧したのち亀山城を拠点としたといわれている」と説明。亀山城は「山全体に曲輪(くるわ)を配した大規模な山城」「堀跡はなく、小規模な曲輪をあ階段状に配置して、高い切岸と一体化で防御した」等、構造を詳しく紹介している。

 池田さんは「中世の城は、現在はまったく残っておらず城跡だけ。山に登って調査するのは大変な作業で、私も最近はなかなかできていません」とし、「平成元年に発足した当会が30周年を迎えた記念の本となりました。多くの方に参考にしていただければうれしいです」と話している。

 執筆に当たった会員は20人。日高地方では池田さんのほか、渡瀬敏文さん(御坊市出身、みなべ町在住)が鹿ケ瀬城、鶴ケ城、衣笠城、中峰城を担当した。全297ページ、定価は2600円(税別)。全国の書店で注文できる。

写真=「戦国和歌山の群雄と城館」 を手に池田さん

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