御坊市で看取りテーマの映画・講演会

 御坊市民文化会館で17日、家族による看取りをテーマとした映画「★(いきたひ)」の上映会と、映画を監督した長谷川ひろ子さんの講演会が開かれた。長谷川さんは末期がんの夫の闘病生活、家族による看護の様子を自ら撮影、夫の死後、看取り士の活動に感銘を受けて映画にすることを決意。現在は映画の上映、講演活動に全国を奔走しており、この日参加した人たちも死を直視した映像に圧倒され、人生観、死生観が変わったという声が多く聞かれた。

 映画は長谷川さんが末期の耳下腺がんで自宅療養を続ける薬学博士の夫を、4人の子どもと一緒に看病しながらその姿をホームビデオで撮影したドキュメンタリー作品。上映会・講演会は日高在宅医療サポートセンターが主催し、看護師やケアマネら医療、福祉の専門職、一般の主婦ら約200人が参加した。

 映像は長谷川さんが夫の依頼でカメラを回し、自宅療養で日々、衰弱していく姿を撮影。当初は病気が治って元気になったあと、闘病の記録として見ようと考えていたが、それがかなわず夫は47歳で亡くなったが、3年後、看取り士の活動に感銘を受けた長谷川さんが映画にすることを決意し、編集、音楽、ナレーションもすべて自らの力で制作した。

 映画は学校や公民館など全国各地を回って上映しており、この日は前日の海南市に続いて367回目。映画のあと、講演した長谷川さんは「私たちは大切な人が亡くなるとき、その人の『死に方』を見て一喜一憂していませんか。若くして事故や災害が亡くなった人に対し、かわいそうだと思ってしまうと、その人の人生が気の毒な人生になってしまいます」とし、「人はだれもが『人生半ば』で死ぬ人はいません。病気、事故、自殺…死に方は違ってもみんな、生まれ持った寿命を生き切って亡くなるんです。家族が死ぬことが悲しい、さみしいと思うのは自分のエゴ。亡くなる人は、家族やみんなの幸福を願う新たな役割を背負って旅立っていくんです」などと、死に対する考え方一つでその後の生き方、人生が変わることを訴えた。

 参加者からは「私も家で病気の家族を看病しています。いままでずっと人が死ぬということが怖かったけど、そうではないことが分かった」「死んだ人が常に上から見守ってくれているという考え方を聞いて、死んだ人を悲しませないためにも明るく元気に生きることが大切なんだと教えられました」などという声が聞かれた。

「★は『生』の5画目の横棒を『死』の1画目としてつなげた作字」

写真=映画上映後、人の死との向き合い方について語る長谷川さん

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