御坊市 新庁舎建設基本計画の素案発表

 御坊市は8日、現地に建て替える新庁舎建設基本計画の素案を発表した。焦点の一つである津波浸水への対応では、1階部分に課を配置せず、ピロティ方式(柱のみ)とホール機能の両面を持たせた「浸水を考慮した方式」を提案。高い耐震性能がある免震構造の採用、立体駐車場の整備なども盛り込み、総事業費は最大58億5000万円を見込んだ。事業は設計・施工一括発注のプロポーザル方式で進める考えだ。

 柏木征夫市長が6月議会で現地建て替えを明らかにし、課長補佐級の職員らの庁内検討委員会が8月から5回の会議を開いて、庁舎の機能について検討を重ね、素案としてまとめた。

 現在地は南海トラフの巨大地震で最大3・5㍍の津波浸水エリアで、対応するために➀盛り土する方式➁1階をピロティ(柱のみのスペース)にする方式➂1階の半分をピロティ、半分は普段住民が集えるエントランスホールや会議室などにする「1階への浸水を考慮した設計にする方式」││の3案で専門家の意見を聞きながら検討。浸水防止性、日常利便性、周辺親和性、コスト・工期を総合的に検証し、コストが最少で工期も最も短く、住民のアクセス性、浸水しない2階以上に課を配置することで業務継続に影響が出ない③案が優れていると判断した。ピロティ部分は駐車場として活用する。

 災害時に庁舎の安全性と機能性を維持できるよう、地震の揺れを直接建物に伝えない免震構造を採用。このほか災害対策本部室を常設し、普段は会議室等に活用できるよう整備。災害発生時は市民らの一時的な避難場所や福祉避難所としてのスペースを確保。飲料水確保のために耐震性貯水槽も設置する。

 利用度が高く、手続き上関連性の高い部署を低階層に集約し、高齢者や障害者をはじめ誰もが分かりやすく利用しやすい配置にし、プライバシーに配慮したカウンターや相談室、利用者に応じたロー・ハイカウンターの導入、市民が気軽に利用できる交流スペースと観光や歴史を紹介するスペースも設ける。ユニバーサルデザインやバリアフリーを促進し、エレベーターは車いす利用者にも対応してゆとりある広さ、視覚障害者らに配慮した音声案内設備を設け、各階に多機能トイレ、乳幼児連れの来庁者が安心して利用できるよう待合にキッズスペース、授乳やオムツ替えのための授乳室も設ける。太陽光発電や屋上緑化など経済的で環境にやさしい庁舎も実現する。

 庁舎の規模は当初の予定通り延床面積7000平方㍍。現在の駐車場に建設し、現庁舎部分を駐車場にする。2階建ての立体駐車場も盛り込んでいる。

 事業費は建設工事費38億6000万円、解体5億1000万円、駐車場等外構10億8000万円、津波対策1億3000万円、設計管理費等2億7000万円の合計58億5000万円。庁舎建設基金や市町村役場機能緊急保全事業債などを活用する。今月中旬から1カ月程度パブリックコメントを募り、意見を反映して本年中に基本計画として策定。来年度は基本設計と実施設計、2020、21年度の2カ年で建設工事を行い、22年度からの供用開始を目指す。

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