御坊市が本人重視の認知症条例制定へ

 認知症にやさしいまちづくりへ向けた条例制定を目指している御坊市は27日、医師、認知症の本人と家族らをメンバーとしたワーキングチームの初会議を市役所で開催し、活発に意見交換した。条例案の検討に本人や家族が携わるのは全国的にも珍しく、「本人重視の条例」を方向性に検討していくことを決めた。
 メンバーは医師、介護職、認知症の本人、家族、市職員ら13人。それぞれの立場で認知症にやさしいまちについて率直な思いを出し合った。
 認知症本人からは「認知症になると何も分からないと思われているが、分かっていることもあるし、分からないところもある。そういうことを理解してほしい」「私は認知症であることをオープンにしていますが、隠そうとしている人や家はあると思います。誰もがおおっぴらにできる地域になってほしい。みんなが大きい気持ちで考えてほしい」「認知症になってもできることはいっぱいある。困っている人に喜んでもらえるように、やれることがあると思う」など、認知症にやさしいまちは家族にも住民にもやさしいまちになることを訴えた。
 メンバーからは「認知症という診断ではなく、変化だととらえることが大事」「認知症が特別ではなく、例えば道に迷っていたら誰もが当たり前に声をかけられる地域になれば」など、住民の意識を変える取り組みの必要性を強調する声が多かった。家族からは「さまざまな人がこうやって自由に発言して案を作っていることこそが、本来のあるべき姿。声を聞いてくれることに感激しています」との声もあった。
 介護福祉課の田中孝典課長は「行政がしてあげるという思い上がった条例にするつもりはない。予防ではなく、認知症になってからの生活をいかに豊かなものにするか、本人の暮らしの観点から、これまでの人生を継続できる社会をつくる条例にするため、皆さんの意見を反映していきたい」とした。
 今後は定期的に会議を開き、素案づくりなど内容を検討し、来年3月議会での条例案上程を目指していく。

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