御坊で在宅看取りの田伏氏が講演

 日高御坊地域医療福祉情報ネットワーク「フレンズつながり」の研修会が14日、国保日高総合病院で開かれ、「がん患者の在宅看取り」をテーマに、和歌山市の訪問診療専門医田伏弘行氏(42)が講演。田伏氏は患者の笑顔の写真とともに実際の症例を示し、「多くの専門スタッフとの連携により、命は救えなくても人生は救える」と訴え、徹底して患者と家族の心に寄り添う在宅医療の在り方を提示した。
 人生の最期を自宅で迎える「在宅看取り」は高齢者やがん患者の間で希望する人が増えつつある一方、その中心となる訪問診療医の不足が全国的な課題。和歌山県内は専門の開業医が和歌山市や紀の川市にしかなく、日高地方も看取りを含む在宅医療体制は十分とはいえないのが現状だ。
 この日の講師の田伏氏は、和歌山市生まれで兵庫医科大を卒業。和歌山県立医科大附属病院消化器内科、国保日高総合病院第一内科、静岡県立静岡がんセンター緩和医療科などの勤務医を経て、昨年、和歌山市湊桶屋町にがん患者を中心とした訪問診療専門の「たぶせ在宅クリニック」を開業した。
 田伏氏は、在宅医療は「その人らしさ」を支え、「その人が最も大切にしていることを最期まで守ること」が大原則であるとし、数人の患者の退院から看取りまでの症例も示しながら、「手厚い緩和ケアによって患者は亡くなる数時間前まで穏やかに過ごすことができ、家族にも不安や動揺はなく、失われた家族関係を修復することもできる」とメリットを説明。そのためには在宅医師、病院の主治医、訪問看護師、ケアマネジャーら多くの専門スタッフのチームワークが欠かせないと強調した。
 医師、看護師、介護支援専門員ら約130人の参加者からは、「主役は患者本人。かかわる医療、介護職はいかに希望や要望に寄り添うことができるかをあらためて考えさせられた」(理学療法士)、「在宅での看取りは最期まで穏やかに過ごせるということを、もっと地域に啓発していきたい」(社会福祉士)などという声が聞かれた。

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