おもちゃでも本物に見える

 子どもがピストルの銃口を向けてきた。見ず知らずの子どもでも、それがおもちゃだとすぐに認識でき、びっくりさせられることはない。たとえ、相手が大人でも顔見知りならば大事には至らない。ところが、これが銃社会のアメリカの場合では状況が変わってくる。おもちゃでも、子どもが持っていたとしても本物に見え、銃口を向けられた方が本物で反撃してしまったという事件も発生していると聞いたことがある。
 同じおもちゃでも偽物、本物いずれにも見えてしまうのはなぜか。その状況にもよるが、信頼関係があるかどうかが大きな鍵ではないか。社会、人間同士などに目に見えない「信頼」があるかないかで、同じ銃でも全く別物に見えてしまうのは人間の脳の怖いところだ。
 日大アメフト選手の危険タックルが、社会問題にまで発展。報道によると、指導者から「1プレー目でクオーターバックをつぶせば出してやる」や「相手がけがをしたらこっちの得」などの指示、言葉があったとされている。監督らは「つぶせ」は認めたものの、あくまでルールを無視してけがをさせろとの意味ではなかったと反論しているが、これで納得できる人はほとんどいないだろう。
 選手と監督らとの関係。本来は信頼で成り立つはずが、日大アメフト部の場合は絶対的な権威の下での支配という形だったのではと思わせる。日ごろの指導、管理を通じて培わなければならないのは信頼であり、絶対服従の関係ではないだろう。おもちゃを本物と間違うように、つぶせをけがさせろと誤認した。そうだとしたら指導者も責任を免れられないどころか大きな責任を負わなければならない。この問題にはそう感じている。(賀)

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