美浜でドローンの松くい虫薬剤散布実証実験

 美浜町の松林で18日、全国初となるドローン(無人航空機)を活用した松くい虫防除薬剤散布の実証実験が行われた。すでに水稲栽培の農薬散布などで導入されているドローンを使って3回のフライトを実施し、実用化へ向けて散布効果などのデータを収集。近畿一の広さという78㌶に及ぶ町内の松林で実現できれば省力化、コストダウンにつながると試算されていることから、役場幹部も空中散布の様子を熱心に見学した。
 NECフィールディング㈱(東京都港区)と、同社とドローンを活用した農薬散布分野で協力しているTEAD㈱(群馬県高崎市)が実施。NECが森下誠史町長にドローンの活用法をいくつか提案し、松くい虫防除薬剤散布での実証実験が実現した。
 使用されたドローンは、全国30カ所以上で主に水稲栽培で導入されているというTEAD製MulsanDAX(マルサンダックス)04。高さ69・2㌢、幅163㌢、重さ17㌔、4枚のプロペラで飛行するタイプで、取り付けたタンクには10㌔の液体を入れられる。農薬散布の機体としては全国第1号の性能認定を受け、農薬散布しながら約10分間飛行できる。自動飛行機能も有し、NECによると美浜町の松林で活用できれば現在の地上散布費用(年間約2000万円)の削減、省力化、効率化につながるとの試算も出ているという。
 NECから小山田宣克和歌山支店長、TEADから技術開発部フライトチームの須藤広幸さんらが参加して行われた実証実験は3階建ての役場屋上を拠点とし、屋上から西隣の松林50×10㍍の区画に農薬の代わりに水をまいた。区画内外の地上には水を感知する感水紙を設置。地上まで農薬が届くのか、農薬が区画外のどの辺りまで飛散するかなどのデータを採取した。風速3・3㍍、曇り空の中、木の上2㍍ほどの高さで水をまきながら約2分間で50㍍往復するなどの飛行の様子を森下誠史町長や笠野和男副町長も見学。笠野副町長は「効率よく散布できそうな感じはする。ただ、人家への影響などがどうなるか、実証実験を進めていく必要がある」と話していた。
 町内の松林は海岸線沿い約4・5㌔にわたり、5万本以上の木がある。森下町長の話では20年以上前にはヘリコプターを使って薬剤の空中散布が行われていたが、人家への飛散などの影響で取りやめとなり、現在の地上散布に変更された。
 NECなどによると、今回の実証実験の結果から、より正確なコスト計算や散布効果の確認などができるという。実用化には国の許可が必要となる。

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