御坊の集団食中毒 県が調理業者と和解

 昨年1月に御坊市内の幼稚園と小中学校(大成中含む)で発生した給食による集団食中毒で、発生当時、県から営業停止命令を受けた給食調理委託業者の「シダックス大新東ヒューマンサービス」(東京都)が命令の取り消しを求めていた訴訟で24日、県と同社の和解が成立。県は控訴を取り下げた。
 集団食中毒は1月26日、御坊市の給食センターで調理された給食を食べた生徒ら800人以上が下痢や嘔吐(おうと)を訴えた。給食メニューの「磯あえ」からノロウイルスが検出されたため、県はシダックスに14日間の営業停止処分を下した。その後、東京でも同様の食中毒が発生し、ウイルス発生源が大阪市都島区ののり加工メーカー「東海屋」の「刻みのり」と判明。御坊でも「磯あえ」に同じ刻みのりが使われており、原因の可能性が高くなっていた。
 訴訟ではシダックスが「原因は刻みのりである」とし、同社への営業停止命令を取り消すよう求めた。県は「営業停止は被害の拡大を防ぐため」と処分の正当性を訴えたが、昨年10月、地裁は県に対し処分の取り消しを命じた。県は翌11月、大阪地裁へ控訴した。
 その後、早期解決へ、県と同社が話し合いを進めるなか、同社は当時の県の処分は妥当だったと認め、賠償や補償を求めないこととし、県は処分を取り消すとともに控訴を取り下げることで折り合った。
 仁坂吉伸知事は「営業停止処分により、各自治体の給食業務の入札参加や業務受託ができなくなっていた状況は、本意でなく気の毒に思っていた。営業停止処分が妥当であったと認めてくれ、今後も食中毒発生時には速やかに処分ができると判断し、今回の処分を取り消すことにした」とコメントを出した。

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