御坊の認知症対応型デイ施設で利用者企画のもちまき

 御坊市藤田町藤井、認知症対応型デイサービスあがら花まる(玉置哲也管理者)で17日、利用者が手作りした祠(ほこら)の完成を祝って餅まきが行われた。発案から企画、当日の運営まですべて利用者が中心となり、職員は手助けのみ。「本人が望むことを形にすることがこれからの認知症支援のあり方」といわれるなか、県内でも先駆的な取り組みとなり、初のイベントは地域住民でにぎわい大成功となった。
 同施設で昨年10月から週3回のデイサービスを利用している御坊市の男性(84)が元大工の腕を生かし、利用者が新聞紙で作ったお地蔵さんを祭れるようにと、高さ約1㍍の祠を作り始めたのがきっかけ。男性を含めた利用者仲間5人が雑談の中で、「完成したら、餅まきやろらよ」と話したことがどんどん盛り上がり、完成した祠のお披露目を兼ねて餅まきイベントを開催することになった。
 「餅は杵と臼でつくのはしんどいので、機械を使おう」「餅まきは1月の大安の日の17日にしよう」「普段来てくれる幼稚園児や小学生には菓子もまこう」など意見を出し合って自分たちで決め、職員に手伝ってもらいながら準備を進めた。話を聞いた住民からもち米が提供され、イベント当日の午前中からみんなで餅をつき、丸めて袋に入れる作業も利用者が中心になって行った。
 朝からあいにくの雨だったが、午後3時半の開始前には上がり、地域住民、藤田小学校児童、大成幼稚園の園児ら約50人が訪れた。完成した祠をお披露目し、玉置管理者が利用者の男性が手作りしたことを説明した上で「皆さんが幸せになるようにと手作りしたお地蔵さんを祭ることができます。気軽に手を合わせに来てください」とPR。元大工の男性も「皆さんの力をお借りして、こうしてお祝いすることができました」とあいさつし、利用者たちが餅をまき、住民は袋いっぱいに拾って笑顔があふれていた。
 玉置管理者は「認知症になったら何もできないと思われがちですが、何でもできることを多くの人に知ってほしい。これからも本人の声を形にできるよう、行政や地域住民の力を借りて取り組んでいきたい」と話していた。

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