需要増の核シェルター

 小説で絶海の孤島や吹雪の山荘、大雨で孤立した別荘、監視されて脱出できないエリアなど、閉鎖された空間が舞台となった作品をよく読んでいる。最近、読んだのが三津田信三の「シェルター 終末の殺人」。核シェルターに集まった初対面の6人の中で、殺人事件が起こるというストーリーだが、小説の中で放射能や核シェルターの機能などが詳しく書かれていた。入り口には汚染外気が内部へ入るのを防ぐエアロック室があることや、トイレ、空気清浄機の仕組みなどがよくわかった。
 家を建てる際、核シェルターのことを考える人など、日本にはほとんどいないだろう。人口当たりの核シェルター普及率も0・02%とかなり低い。世界的にはかなり普及しているようでアメリカ82%、ロシア78%、イギリス67%、シンガポール54%。スイスとイスラエルに関しては100%だという。普及率が高い理由としては法的に義務付けている国もあるとのこと。日本が低い要因にはコストもあるが、危機意識が低いことも影響しているのだろう。
 そんな中、北朝鮮による核ミサイル攻撃の懸念で、日本でも注目され始めている。ただやはりコストは高い。シェルターは攻撃がある時だけ入ればいいものでなく、「シェルター 終末の殺人」によれば、2週間は中で生活しなくてはならない。そのためトイレやキッチン、人数分のベッドも必要なので、それなりの広さがいる。ネットで調べてみると1000万円以上必要で、一時避難用の海外製品でも数百万円いる。しかし安全には代えられない。核攻撃の脅威がなくなるのが一番だが、今後も需要は増え続け、数十年後には日本でも当たり前の時代が来るのかもしれない。     (城)

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