龍神の切り絵作家が歴史ミステリー出版

 田辺市龍神村、切り絵作家のペンネーム蓑虫さん(56)は、大手通販会社amazonを通じて歴史ミステリーの著書「龍神楊貴妃伝」を販売している。世界3美人の1人といわれる楊貴妃が中国から渡来し、熊野に移り住んだという仮説をつづった。通説を覆す内容で「日本の歴史や宗教などに大きな影響を与えた」とし、「熊野三山の信仰は楊貴妃信仰である」と、資料を用いて主張している。
 蓑虫さんは熊野の伝説や歴史をモチーフに活動する切り絵作家。2011年5月に中国を訪れた際、「楊貴妃は和歌山の熊野に行った」という内容が中国の書物に書かれていることを知り、興味を持ったという。同年7月に三重県から龍神村に移住したあと、江戸時代後期につくられた「紀州龍神温泉之図」(当時の観光パンフレット)に「ヤウキヒ桜」という記載があるのを見つけ、「楊貴妃を地域おこしに活用できるのではないか」と考えて調べ始めたのがきっかけ。以後、6年かけて研究し、内容を「龍神楊貴妃伝1~楊貴妃渡来は流言じゃすまない」「龍神楊貴妃伝2~これこそまさに楊貴妃後伝~」の2冊にまとめた。
 蓑虫さんによると、楊貴妃は一般的に756年に唐の皇帝玄宗に処刑されたといわれているが、中国の「旧唐書」や「新唐書」には「処刑から1年半後に墓を掘り起こしたところ、遺体はなかった」と記されているという。鎌倉時代初期に湯の峯温泉を訪れた藤原頼資は「頼資卿記(よりすけきょうき)」で、「楊貴妃の浸かった驪山(りざん)の華清池とはこのような温泉であったに違いない」と書いている。こうした資料や文献、ヤタガラスのいわれなどから「熊野三山信仰が楊貴妃信仰である」と主張している。
 価格はペーパーバック版で「龍神楊貴妃伝1~楊貴妃渡来は流言じゃすまない~」が2592円、「龍神楊貴妃伝2~これこそまさに楊貴妃後伝~」が2484円。電子書籍版がいずれも500円。電子書籍は、今月30日午後5時までは無料配信される。蓑虫さんは「資料に基づいて書いたノンフィクションです。歴史ミステリーに興味のある人は読んでみて下さい」と話している。今月17日から発売しており、25日現在でamazonの日本史奈良・平安時代部門売り上げ冊数ランキングでペーパーバック版「龍神楊貴妃伝1~楊貴妃渡来は流言しゃすまない」が1位、「龍神楊貴妃伝2~これこそまさに楊貴妃後伝~」が2位となっている。

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