危険業務従事者叙勲 日高地方から2氏

 警察官や消防士など著しく危険性の高い業務に精励した人を対象とする危険業務従事者叙勲(29日付発令)の受章者が発表され、県関係は28人が受章する。日高地方からは警察功労で元県警部の松尾隆氏(70)=日高川町小熊=が瑞宝双光章、消防功労で元御坊市消防司令の村上吉彦氏(70)=同市名田町野島=が瑞宝単光章を受章。5月上旬から中旬にかけて各省庁、県庁で伝達式、喜びの拝謁が行われる。
 松尾隆氏は昭和40年4月に和歌山県警察に採用され、平成19年3月に退職するまで42年間、主に交通事故の処理や保険金詐欺事件の検挙に大きな功績を残した。
 昭和41年に白浜署を振り出しに県警本部、和歌山東署などで勤務。中でも御坊署では通算21年間務めた。交通死者数が年間1万人を超え、交通戦争や「走る棺桶」などの言葉がいわれた昭和40年から60年代は昼夜に関係なく事故処理に明け暮れた。約7年勤務した和歌山東署交通課時代は、年間約70回の宿直のうち、朝まで1件の出動もなかったのは年に1、2回という激務の連続。「一晩に死亡ひき逃げと重傷ひき逃げが続発したときは大変でした」と振り返る。思い出はたくさんあるが、昭和61年、特殊交通事件を扱う県警本部交通指導課で担当した保険金詐欺事件は印象深い。半年かけて7~8人のグループが車で当て役、当てられ役など役割分担して保険金を詐取していることを突き止め、見事解決。県警初の詐欺事件検挙となり、指導課が警察庁から表彰を受けた。御坊署では平成13年、レンタル自転車を借りて高齢者が運転する車にわざとぶつかり、持っていた壺が割れたと現金を要求する「事故偽装事件」を検挙したことが思い出に残っている。いまでも同僚と事故現場で検証している夢をみることがあるといい、「昔に比べて事故が非常に減っていることがうれしい」。受章に「いろんな人にたくさん助けてもらったおかげで何とか務めることができました」と話している。
 村上吉彦氏は昭和40年9月1日に御坊市消防本部の消防士となり、平成16年3月31日に退職するまで38年9カ月間勤務。住民らの防火意識高揚や災害現場での被害軽減に力を尽くした。
 昭和57年10月1日に危険物係を拝命し、時代とともに変わる法令を常に勉強。各施設の消防用設備に不備がないか巡回調査し、災害を未然防止するため環境を整備、充実させてきた。なかでも関西電力御坊火力発電所の建設では昼夜を問わず施設の安全強化から消防設備の改善まで幅広く適切な指導を実施。くまなく点検、検査に明け暮れた日々を覚えている。
 予防だけでなく災害が起きれば現場に駆けつけて活動。若手のころ夜通し筒先を握ったスーパーの火災が一番記憶に残っている。平成2年4月1日付で警防係に配属されてからは常に最前線で活躍。13年3月に薗の長屋住宅で起きた火災では指揮者として、延焼拡大防止を最優先して被害を最小限に抑えた。14年4月1日から警防課長となり、部下の育成にも尽力した。
 「火事を起こさないことが一番」がモットー。「ご苦労さん」「ありがとう」という住民からの言葉に疲れは吹き飛び、社会見学や体験での子どもの喜ぶ顔がうれしかった。受章に「とても光栄。先輩や同僚、後輩ら皆さん、家族の支えのおかげ。感謝しています。仕事で培った経験を生かし、これからも住民の皆さんのために役立てるよう頑張りたい」と話している。

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