南方熊楠記念館の新館がオープン

 白浜町の国立公園「番所山(ばんしょやま)」に完成した新しい南方熊楠記念館で19日、オープン記念式典が行われた。施設を管理・運営する公益財団法人南方熊楠記念館理事長の仁坂吉伸知事、名誉館長のSF作家荒俣宏氏らがテープカットを行い、記念植樹や餅投げなどで熊楠ファンの来場者とともに待望のオープンを祝った。
 熊楠は柳田國男と並ぶ民俗学の創始者としても知られ、記念館には生前の多くの文献、標本、遺品などを保存・展示。県は全国の熊楠ファンや一般に建設費用の寄付を呼びかけ、老朽化した旧記念館(本館)の隣でおととし11月から工事が進められていた。総工費約4億7500万円のうち、寄付分は約3250万円。熊楠が大きな研究成果を残した「粘菌」のイメージから、曲線を生かした設計の鉄骨コンクリート2階建ての施設が完成した。
 式典には公益財団法人理事長の仁坂知事、名誉館長の荒俣氏のほか、井澗誠白浜町長、高額寄付者ら関係者約50人が出席。仁坂理事長はこれまで取り組んできた番所山公園整備を振り返り、「熊楠生誕150年というちょうどいいときに、このような立派な記念館が出来上がって本当にうれしい。これからはこの記念館を白浜の大きな資産として、和歌山県、日本が誇る南方熊楠の記念館として世界中にアピールしたい」とあいさつ。
 荒俣名誉館長は「田辺にある熊楠顕彰館はいま、熊楠のイメージが追加され、変わっていくような業績をどんどん出しており、熊楠ファンですらついていけないほどの印象があるが、一般の人が『熊楠はどんな子どもだったのかな』と思って訪れるには、この記念館は欠かせない。エレベーターもついてバリアフリーが整い、これからここで熊楠と出会える人はいいなぁと思う。私もここの応援団の一員としてお客様にいろんな発信をしたい」と喜びを表した。
 入館料は大人500円、小中学生300円。開館時間は午前9時から午後5時まで。毎週木曜休館。

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