リオオリンピック開幕に思う

 南米大陸で初めての五輪、リオデジャネイロオリンピックが開かれている。スポーツにまったく縁のない生活をしているが、ドラマチックなことが好きなのでスポーツ観戦は大好きで、五輪も楽しみにしていた
 しかし今回のリオ大会はかなりの波乱を含んでいる。開会式に大統領の出席がなかったり、自国の経済状況等から五輪を歓迎していない国民も多い。また、ドーピング問題のため、強国ロシアの多くの選手が出場できなくなっているなど
 開会式の日、折りしも御坊市では市民教養講座が開かれ、ジャーナリストの長谷川幸洋氏が世界情勢と日本の針路で語った。中国政府の動向やテロリストなどについて話し、「世界はいま『法の支配』から『力の支配』へ変わりつつある」という内容のことが述べられた。現実の情勢は残念ながらそうなのかもしれないと思うと、時代の空気の戦前への逆行を予感させられるようで、暗澹たる気持ちになった
 現実の問題には、現実的かつ効率的に対処せねばならない。たとえば、犯罪などの危険が予測される時に防犯対策を講じるのは議論の余地なく必要な措置であり、それは主義主張以前の問題である
 だがそれはそれとして、そうした必要のない世界を理想として掲げ、その実現を希求する思いは尊重されるべきであろう。足元と遥か先の目的地の両方をしっかり見据えることは、先へ進むためにいつも必要だ。その間の距離がどんなに大きくとも
 過去最多の206の国と地域が参加しているリオ五輪。多くの国が一つの大きな舞台を見つめる時間を共有したという事実が、いつか何かの救いにならないかと思う。波乱を含んでいても開会式のショーは美しく、太陽のように高く掲げられた聖火が印象に残った。(里)

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