農業遺産の活用へ盛り上がりを

 総務省の平成27年家計調査結果が先月発表された。それによると、1世帯(2人以上)当たりの梅干し購入量は前年比5・5%減の726㌘。ピーク時の14年と比較すると約3割減少しており、消費が低迷していることが浮き彫りになった
梅干しの消費の低迷は産地にとっては大きな痛手。効果的な販売戦略が必要な状況だが、その大きな材料としては注目されるのが昨年12月に世界農業遺産登録に認定された「みなべ・たなべの梅システム」。先日、同推進協議会が世界農業遺産を活用した地域振興のアクションプランを発表し、「梅の販売促進」「観光振興」「システム継承者の育成」「国際貢献」の4つの柱を重点に挙げて今後の取り組みがまとめられた。梅の販売促進では「国内外のイベント等でPRしてブランド力を高め、消費や販路の拡大を図る」などと盛り込んだ
しかし、認定されてから半年以上が経過しており、5月に開かれた推進協議会の総会では委員から「もっとスピーディーに」という意見が相次いで上がった。その批判の裏には、世界農業遺産の認定による効果へ大きな期待があるからではないだろうか
認定に至るまでの期間は住民の大きな協力があったが、登録後は梅システムを生かすような目立ったアクションがないことに対して不安を感じる住民もいるかもしれない。推進協議会が先日発表した地域振興につなげるアクションプランについては、本紙などの地方紙に掲載されたが、もっと直接的に生の声で今後の方向性を住民に伝えてもいいのではないか
有効活用できるかどうか、その根底には住民の盛り上がりが必要。それが欠けてしまっては、とうてい地域の活性化などにつながることはない。(雄)

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