夢いっぱいの二刀流

 プロ野球パ・リーグ、日ハムの大谷翔平投手(21)が、5日の交流戦巨人戦で自身が持つ公式戦最速を塗り替える163㌔をマークした。入団4年目の右腕。プロ入り2年目に162㌔を計測してクルーン(巨人)の公式戦最速に並び、ついに日本新を達成。年齢的にもまだまだこれからの選手で、今後どこまで成長するのか楽しみだ。
 大谷投手は投手と打者の「二刀流」としても注目を集める。入団当初、「二刀流なんて絶対に無理」と思ったが、それは間違っていた。今季はすでに9本塁打を放ち、打率は3割5分超。5日の巨人戦ではクリーンアップを打って完投勝利と、2リーグ制後初の快挙で最速記録に花を添えた。
以前は高校野球くらいまでは「エースで4番」も当たり前だった。投手も打者もレベルが格段に上がった近年では、そんな選手は珍しくなってきている。投手の練習、調整をしながら打力も磨いていくのは非常に難しいようで、甲子園でもなかなかお目にかかれない。「リアル二刀流」の活躍をプロでできるのだから、とにかくとんでもない選手である。
 甲子園で藤浪晋太郎投手(阪神)から本塁打を放つなど打者としての素質も誰もが認めるところであったと思うが、高校時代から160㌔を投げられる投手はなく、プロ入り当初は「投手に専念した方がいい」という声が多かったはず。それでも、二刀流に挑戦してきた。いくら才能があっても、やる気と挑戦がなければ実現は不可能。周囲に流されることなく挑戦を続ける強い精神力にも感服する。「絶対に無理」は最速右腕には失礼な言葉だったと反省し、これからは「最多勝で本塁打王」などと、さらに夢いっぱいのプレーを期待していきたい。(賀)

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