県がイチゴの新品種「紀の香」開発

 県は4日、和歌山産の極早生イチゴ新品種「紀の香(きのか)」の開発に成功したと発表した。糖度は県内で多く作られている「さちのか」「まりひめ」と同等だが、病気に対する耐性は「まりひめ」より強く、収穫開始時期が11月中旬と早いのが特長。すでに品種登録出願申請は終わっており、順調にいけば2年後の平成30年3月に品種登録、翌31年秋には初出荷の見通しとなっている。
 和歌山県のイチゴはほとんどが紀の川市で作られており、日高地方の御坊市や印南町も産地の一つ。品種別の作付面積は約5割が農林水産省の試験場で開発された「さちのか」で、次いで約4割が和歌山県産のブランド品種「まりひめ」となっている。さちのかは果実の品質は高いが、晩生で年内の収量が少ないのがウイークポイント。一方、まりひめは国内トップレベルの果実品質で収量性、市場評価はともに高いものの、葉が枯れたりする炭そ病に弱いという弱点がある。
 今回、県の農業試験場で開発された「紀の香」は、サイズがまりひめより小さく、さちのかより大きく、双方が持つ高い果実品質を継承。収穫スタートは11月中旬と早く、年間収量はまりひめと同等ながら、年内収量はまりひめを上回る。さらに、炭そ病に対してはまりひめより強く、さちのかと同レベルの耐性を持つという。
 農業試験場は生産農家などからの要望を受け、平成24年度から3カ年の農林水産業競争力アップ技術開発事業として、病気に負けないオリジナル品種の開発に着手。炭そ病に強い「かおり野」と「こいのか」など、6パターンの交配により1万近い個体の中から、病気に強く、収穫時期が早く、豊かな香りとさわやかな酸味を持つ新ブランドが誕生した。現在、那賀地方や日高地方など県内6カ所で試験栽培を行っている。
 開発にあたった農業試験場の東卓弥主任研究員(45)は、「香りがすごくよく、味も収量も申し分ありません。まりひめに続く人気ブランドとして、県内の産地形成につなげていきたい」。極早生品種としてクリスマスケーキの生産時期に出荷が間に合うことも、大きな市場セールスポイントになると期待されている。

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