「何を伝えたいか」を発信

 芸能人からマスコミに対して不信感を持っているという発言を聞く。なぜ不信感かというと、テレビやラジオで発言したとき、その一部分を切り取られ、報道されるからだという。言葉の一部を取り上げられ、意図することと違う内容で多くの人に伝えられるのが納得いかない様子。記事などにする際、記者らからは取材がない場合も多く、きちんと本人に確認したうえで報道してもらいたいと言っている。
 携帯やスマホで「言った」「言わない」は証拠として簡単に残せる時代。発言した言葉自体に間違いはないのだろうが、それだけを発信するだけで報道といえるのかというと疑問が残る。よくニュースをにぎわす「問題発言」についても、聴き方を変えたり本人の詳しい説明を聴いたりすれば大した問題でないと感じることも多い。
 政治家がよく使う「検討」。「物事をいろいろな面からよく調べ、それでいいのかどうか考えること」という意味だが、「検討」にもいろいろな「含み」がある。「一応、考えるだけ考えてみます」と「後ろ向き」のケースがあれば、逆に「絶対にやりたいことなので、なんとかいい方法を考えていきたい」と本当に実現へ向けて「検討」する前向きなケースもある。言葉を切り取って「こう発言しました」とだけ記事にしても、両者どちらの意味なのかを伝えることはできない。取材を通じて発信された検討の意味に迫り、それを伝えてこそ報道だと思う。
 新聞のいいところの一つには中立な第三者(記者)が物事を偏らずに報道することにあると思う。「何を言ったか」よりも「何を伝えたいか」をきちんと取材し、発信しなければならないとあらためて感じさせられる。 (賀)

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