みなべ・田辺の梅システム 世界農業遺産に認定

 国連食糧農業機関(FAO)の新たな世界農業遺産を決める国際会議が15日にイタリアのローマで開かれ、自然と共生した栽培方法の「みなべ・田辺の梅システム」が認定された。近畿地方では初。同日深夜、みなべ町役場で催されたセレモニー会場に、小谷芳正町長から電話で吉報が届くと、地元農家や観光関係者ら約150人が大きな歓声を上げて喜びに沸いた。
 世界農業遺産は社会や環境に適応しながら長年にわたって発達し、形づくられた農業上の土地利用、伝統農業などを次世代へ継承することが目的で、FAOが平成14年から始めたプログラム。これまで14カ国・32地域が認定され、国内では新潟県佐渡地域、石川県能登地域、静岡県掛川地域など5地域が認定されている。今回は日本から3件が提出され、みなべ・田辺地域から申請した梅システムのほか、岐阜県の「清流長良川の鮎」、宮崎県の「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業」も認定された。これで国内では8地域が登録された。
 国際会議の世界農業遺産運営科学合同委員会には仁坂吉伸知事、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会会長の小谷町長と副会長の真砂充敏田辺市長、県議会みなべ・田辺地域世界農業遺産促進協議会会長の坂本登県議の4人が出席。仁坂知事が最終のプレゼンテーションを英語で行い、梅栽培が周辺にある薪炭林、ミツバチによる梅の受粉などと関わり、自然と共生していることなどを強調した。審査員の3人から質問があったが、全員一致で承認された。
 みなべ町役場で催された祝賀セレモニーでは、現地に出向いていた小谷町長から吉本正二副町長に「世界農業遺産に決まりました」と一報が届くと、吉報を待ちわびていた来場者からは大きな拍手が上がった。用意されていたくす玉が割られ、みんなで梅ジュースで乾杯。梅干しを手にして記念撮影も行った。役場玄関前に「祝 『みなべ・田辺の梅システム』世界農業遺産登録」という書いた懸垂幕が掲げられると、万歳三唱で祝った。その後、現地とテレビ電話がつながり、小谷町長や仁坂知事らから喜びの声が伝わった。
 梅システムについては、坂本登県議が平成25年に県議会で「梅産地を世界農業遺産登録に認定を」と提案。翌26年5月に「みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会を設立。同年9月に農水省専門会議でプレゼンテーションが行われ、10月に同省が国内候補として認定した。ことし5月には世界農業遺産科学委員会の委員3人が現地調査に訪れていた

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