第100回院展 小野さんと鈴木さんが入賞

 日本画の最高峰、再興第100回日本美術院展で、日高川町鐘巻、県美術家協会会員の小野千寿子さん(55)の作品「久遠の光」と日高町小坂、日本画家で日本美術院院友の鈴木薫さん(65)の作品「開店前」がそれぞれ見事入選した。小野さんは4回目の出展でうれしい初入選。鈴木さんは春と秋の院展合わせて6年連続11回目の快挙で、県内ではまれ。
 小野さんの作品は130号(縦194㌢、横162㌢)。〝実家〟でもある道成寺の「護摩堂」を岩絵の具で描いた。縁の下に木で組まれた「腰組」を細部にわたって繊細なタッチで仕上げ、微妙な大きさの変化を付けた遠近感や風雨にさらされた木の質感も見事に表現している。入選に際しては「女子美術大学(東京)で日本画を勉強していましたが、その後日本画からは離れていました。再び取り組み始めたのは7、8年前。院展の入選は高根の花で、夢のような気持ちです。秋の院展で3回の入選を果たし、院友を目指します」と目を輝かせていた。
 鈴木さんの作品は130号(縦162㌢、横194㌢)。うす曇りの朝の駅ビルを描いた。白い光を受けて風景がガラスに反射し、鏡のように映っている様子や、中央吹き抜けのアーチ状の通路、光の届かない反対側で金色に見える開店前の明かりなどの美しさを、岩絵の具を使って光の反射などを繊細に表現し、透明感あふれる作品に仕上げた。入選に際しては「画業一筋が当たり前の院展の世界ですが、私は家族も多く、時間を追いかけての〝ながら画業〟ですので、制作には最低でも4カ月かかります。今回も細かい作業が多く苦労しましたが、描き上げられてホッとしています」と笑顔。「私は年齢的にも体力的にもどこまでいけるか分かりませんが、これからは若い人の活躍にも期待しています」と話していた。
 日本美術院は故平山郁夫氏らを輩出した歴史ある日本画壇。再興第100回院展は全国15カ所で開催。主な日程は東京展が16日まで東京都美術館。関西では京都展が20日から10月4日まで京都市美術館、大阪展が10月7日から13日まで大阪市・大丸心斎橋店となっている。

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