御坊市民教養講座 鈴木さんがスケート人生語る

 平成27年度第1回市民教養講座は23日、御坊市民文化会館大ホールで開講。プロフィギュアスケーターの鈴木明子さんが「表現者として~ひとつひとつ、少しずつ」とをテーマに、病気を乗り越えての復活、2度の五輪出場などスケート人生を語った。リンクの上と同じ明るい笑顔での講演に、満席の観客は大きな拍手を送った。
 鈴木さんは6歳でスケートを始め、すぐにそのとりこに。氷の上で人の間を縫って滑るのが楽しくて「学校までの道も凍っていればいいのにと思いました」と笑わせた。当初から身のこなしなど表現力は評価されていたがジャンプが苦手で、小6の時に「もっと磨きをかけたい」と、ジャンプの指導で定評のあった長久保裕コーチの指導を受け始めた。大人数のレッスンなので名前も覚えてもらえず、「もっともっと自分から吸収して学びたい」と向上心が芽生えたという。大学は長久保コーチのいる仙台に進学。初めて親元を離れ、自分で何もかもコントロールして頑張らなければと思うあまり、摂食障害になってしまった。身長160㌢なのに体重は32㌔まで落ち、スケートどころか生活もままならず実家で療養。両親もコーチもスケートをやめさせようとしたが、「私は6歳の時からスケートだけで生きてきたから、スケートという軸がなくなると、もう生きていく方法が分からないんです」と苦しかった闘病生活を振り返り、「母も最初は『なぜこんなことに』と嘆いていましたが、その母が病気の私を受け入れ、二人三脚で頑張ろうと一生懸命になってくれた時『こんな私でも生きていていいんだ』と思えて、そこからどんどん治っていきました。体重が40㌔に戻ると氷の上に立つことはできましたが、筋力がなくて滑れない。でも、ここからが自分の戦いなんだ。過去へは戻れないけど、今、ここから明日をつくっていこう。そう思いました」と、立ち直った時の思いを力強く語った。すべてを基本から復習。「18歳の私には6歳とは違う頭があります。この動きは何のための練習かちゃんと分かる。同じことを2回じっくりやれて、お得でした」とユーモアも交えて話した。復活して実績を重ね、24歳でバンクーバー、そして日本女子選手最年長記録の28歳でソチ五輪に出場。いずれも8位入賞した。2大会連続の入賞は、フィギュア日本女子では鈴木さんを含め歴代5人だけ。「病気から復帰した時、『遠回りしたね』と言われたのがすごく悔しかった。『遠回りじゃなかったよ』って笑顔で言えるようになるまで成長したいと思いました。失敗したと思っても、その先どうするかによって、それが失敗かどうか決まるのです」と訴えた。
 質疑応答では、会場のリクエストにこたえて「決めポーズ」を披露する場面も。観客は大喜びで大きな拍手を送った。仲間との絆についても話し、復帰を表明した浅田真央選手についても「皆さん、応援してくださいね」と呼びかけていた。終演後はロビーでサイン会も開き、好評だった。

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