ヘリテージマネージャー 日高地方も4人

 地域に眠る歴史的な文化遺産を見つけ、保存・活用することで地域づくりに貢献しようと、県建築士会の会員から30人のヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)が誕生した。阪神・淡路大震災で多くの歴史的建造物が被災、公費解体という形で姿を消してしまったことを教訓に、兵庫県をはじめ全国で広まっている活動。日高地方からも4人の建築士が登録された。
 古いものを壊して建て直す「スクラップ・アンド・ビルド」から、既存の価値あるものを残す「ストック活用」へと時代が変わりつつあるなか、社会的に認められた建築の専門家を中心に、文化財保護法や町並み保存、伝統的建築物の耐震補強など60時間の研修を修了した人をヘリテージマネージャーとして認定。19年前の阪神・淡路大震災では多くの名建築物が被災後、公費解体であっという間に姿を消してしまったことから、兵庫県が先頭に立って国に働きかけ、修理の設計監理費補助や固定資産税の減免が受けられる登録文化財制度ができた。
 和歌山県建築士会は1・2級建築士、木造建築士を対象に、昨年8月からヘリテージマネージャー養成講習会を開催。30人が文化財保護法や県内の社寺建築、伝統的建築物の構法と技法など60時間の講義、10回の演習を修了し、日高地方からは高澤勝さん(御坊市・高澤建築設計事務所代表)、稲谷好且さん(美浜町・㈲北田設計取締役)、小田貢さん(みなべ町・小田建築設計研究所代表)、永田佳久さん(同・永田建築工房代表)の4人が第1期メンバーとして登録された。
 県教委によると、県内には現在、65カ所、176件の登録有形文化財(建造物)があるが、日高地方は日高川町寒川の寒川家住宅主屋、みなべ町北道の大江家住宅主屋の2カ所(8件)だけ。日高地方のメンバー4人は田辺市の田上順子さん(JUNE建築設計室代表)、白浜町の溝口幸一さん(㈲溝口建設代表取締役)とともに紀南地方の6人でネットワークを結び、それぞれの居住地を中心に古い木造の民家や公共施設、酒蔵など、地域の宝ともいえる登録文化財候補を発掘、保存していくための活動を展開する。
 美浜町の稲谷さん(57)は「この日高地方にも埋もれた文化財はたくさんありますが、それらは放っておけば老朽化し、やがて解体されてしまいます。私たちも1人では活動はできませんが、来年以降、2期生、3期生とネットワークの拡大をはかるとともに、建築士以外の職種の方たちにも仲間になってもらって、地域の歴史的遺産を発掘していきたいと思います」と話している。

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