祭りを機会に氏神を知ろう

 神社には数々の伝説やいわれがある。日高川町の紀道神社と道成寺は、奈良時代の建築奉行、「紀道成」の名前から名付けられたという。九海士(くあま)の里(現在の御坊市藤田町吉田)の生まれで文武天皇の后(きさき)となった宮子姫(髪長姫)は飛鳥時代版シンデレラストーリーで知られるが、この宮子姫の願いで都から日高の地に遣わされたのが紀道成。彼によって道成寺が建立され、彼が日高川で遭難した場所の近くに紀道神社が建立された。土生の土生八幡神社では、小熊にあった八幡社の神様が日高川の水音を嫌って土生に移ったという話がある。明治40年代の神社合祀令の際には、世界的博物学者、南方熊楠が土生八幡神社との合祀に反対した大山神社は合祀反対キャンペーンのシンボルの一つとされた。
 先日、紀道、土生八幡の両神社で緑陰教室が開かれた。神社の由緒や氏神について知ってもらおうと毎年開催しており、氏子の中学3年生は夢中になって魅力いっぱい、ロマンいっぱいの伝説に聞き入っていた。自身が氏子の神社について知らない人も多い中、本当にいい機会。ちなみに筆者は美浜町の御崎神社の氏子で小さいころから秋祭りに参加しているが、いまだに神社や氏神のことについてあまり知らない。
 日照り続きで猛暑が続いていたが、先週末の雨でやや暑さが緩やかになったよう。秋の足音も感じ始めた。来月になると、多くの地区で秋祭りの準備が始まる。この機会に神社や氏神について知っている人に聞いたり、調べたり、話し合ったり、また子どもたちに伝えてみてはどうだろうか。氏子としての意識、地域への愛着も一層深まることだろう。
        (昌)

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