濱口梧陵の教訓を再認識

 ここ数年のゲリラ豪雨で全国的に水害が多発し、鹿児島では桜島が噴火。近い将来大規模地震の発生も予想され、富士山の噴火も心配されている。異常な猛暑も続いているし、日本は大丈夫なのだろうか。そんな中、自然災害への対策の重要性はますます高まっているが、やはり先人の教えに学ぶことは大切である。
 先日、自民党政策集団「志帥会」の研修会が本県で開かれ、二階俊博会長が防災対策で所属国会議員にゲキを飛ばしていたが、その中で筆者も「ハッ」とさせられることがあった。「御坊に住んでいるから広川町の濱口梧陵のことを知らないでは、通用しない」と話していたからである。これは御坊市の成人式のあいさつでの言葉らしいが、なるほど防災の教えに地域の枠なんて関係ない。記者の仕事柄でついつい新聞発行のエリア内での物事に関心が集中してしまうためか、恥ずかしい話、濱口梧陵についても稲を燃やして津波の避難誘導の目印にしたぐらいのことしか知らなかった。
 少し紹介すると、濱口梧陵は紀伊国広村(現広川町)生まれ。醤油醸造業を営む濱口儀兵衛家(現・ヤマサ醤油)の7代目。安政南海地震の際には、稲に火をつけて津波の避難誘導を行い、村人の9割以上を救ったと伝えられているが、現代に向けて津波避難には迅速な情報伝達が必要という教訓を残してくれた。さらに、災害のあとは莫大な私費を投じて橋の修理など復旧に努め、今後の津波に備えて当時最大級の堤防も整備した。まさにいまで言う防災事業である。
 津波からの避難誘導、そして復旧、復興への道。時代が変わり、手法は違うかもしれないが、現代にも通用する地震対策のモデルだと、あらためて感じた。(吉)

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