世界初の浮上式防波堤に関心

 御坊、美浜、日高、日高川の4市町の官民がスクラムを組む津波防災研究会(谷口邦弘会長)の視察研修が25日に海南市で行われ、平成31年度の完成を目指して工事が進められている下津港海岸海南地区の直立浮上式防波堤を見学した。平常時は海中にあり、地震発生時に海上に出て津波を防ぐ世界初の技術を採用。研究会メンバーは「御坊の津波対策でも選択肢の一つになる」と期待していた。
 海南市役所では国土交通省近畿地方整備局和歌山港湾事務所の谷島義孝所長や神出政巳市長から津波対策で説明を受けた。それによると、下津港海岸海南地区では津波対策として国が平成21年度から31年度まで11カ年計画で護岸改良、水門設置、直立浮上式防波堤の整備を進めている。全体の事業費は250億円で、国が3分の2、県が3分の1を負担。地元市の負担はゼロとなっている。視察のメーンとなった直立浮上式防波堤は、直径3㍍の鋼管に直径2.8㍍の鋼管が入っており、いざというときに空気圧で小さい方の鋼管がスライドして浮上する仕組み。この鋼管を約70本、延長230㍍にわたり整備していく。平常時は海底13.5㍍の位置にあり、浮上させれば高さ7.5㍍の防波堤になる。浮上動作は近くにある操作室で行えるが、安全性を考えて遠隔操作もできるようにする。
 海南地区には鉄鋼、電力、石油精製など多様な産業が集積。貨物船の往来が多く、一定の航路を確保する必要があるため、浮上式防波堤を採用した。この浮上式防波堤と護岸、水門などを含めて、延長1.9㌔の津波防護ラインを築く。参加者からは「地震が来て鋼管が破損して作動しないということにならないか」との質問があり、谷島所長らは「3連動型地震の場合は耐えられる設計をしているが、新しい南海トラフの巨大地震でどうなるのか、いま検証しているところ」と回答した。また、神出市長は「世界初の浮上式防波堤が成功すれば、『次は御坊で整備』となるよう期待している」と述べた。このあと、工事の現場に移動してあらためて説明を受けた。視察を終えて谷口会長は「津波対策で浮上式防波堤は候補の一つになる。これからもいろんな対策を研究して提言していきたい」と話している。

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