県の津波避難路建築物制限条例 4月施行へ

 4月から、県の「津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例」が施行される。津波により倒壊、避難路をふさぐ恐れのある建物の所有者に対し、撤去や耐震化を勧告・命令できる条例で、南海地震の巨大津波が想定される美浜町ではモデルケースも考えられ、住民の間では条例施行が大きな前進との見方がある一方、財産権にかかわる問題だけに、「どこまでうまくいくのか」と首をかしげる声もある。
 条例は、 地震で倒壊した古い建築物などが避難路をふさいでしまうことを防止するため、 昨年6月の県議会で承認、 7月6日に公布され、 ことし4月1日から施行となる。 今後、 市町村が国の南海トラフ巨大地震の被害予測、 さらにそれに基づく県の被害予測の公表を待って、 新たな地域防災計画の策定作業を進めるなか、 避難路の中でもとくに重要度の高い避難路については市町村の意見を受けて県が 「特定避難路」 に指定。 道沿いの老朽家屋等の建築物が倒壊、 避難を妨げないよう、 建物の所有者に耐震改修や撤去を勧告・命令し、 所有者が従わない場合は最終的に行政代執行もありうる。
 県内で2番目に面積が小さな美浜町は、 海辺に住宅地があり、 狭い道路が入り組み、 道沿いに住宅が並ぶ。 住民の津波に対する危機意識は高く、 避難路についても安全確保を求める声が町当局に寄せられている。 実際、 住民が解体・撤去を望みながら、 財産権が複雑で所有者と連絡がつかないなどといった避難路沿いの建物もあり、 今回の全国で初めて一般住宅も対象として耐震改修・撤去の命令ができる条例に、 「これで問題解決に大きく前進する」 と期待の声が聞かれる。
 しかし、 条例の運用面では、 県と市町村の一層の連携、 さらに自主防災組織など地域住民の協力も不可欠。 美浜町の関係課職員は 「対象となる建物の所有者に、 公権力を持って交渉に踏み込んでいくには、 当然、 かなり慎重な対応が求められる。 県の条例だから県にまかせればいいというわけにいかず、 市町村や地域の協力はもちろん、 行政内の複数の関係課の連携も必要になってくる」 と話している。
 県は近く、 市町村から条例に対する疑問や不安の声を聞くため、 各振興局単位の意見交換会を予定。 3月には、 2月中に完成する条例の施行規則等についての説明会を開くことにしている。

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