根性とひたむきさ魅力

 今季限りでまた1人、球界のスターがユニホームを脱いだ。阪神タイガースの金本知憲外野手(44)。「ジャイアンツ愛」の筆者にとってはこの人ほど嫌な打者はないが、引退となると少し寂しい。
 引退特番を観た。1991年、ドラフト4位で広島東洋カープに入団。当時は肩が強くなく足も速くはない、体重80㌔に満たない華奢(きゃしゃ)なルーキー。「自分は打つしかない」と固く誓い、いち早く筋トレを取り入れた肉体改造に取り組み、その成果でプロ入り4年目にブレークした。通算476本塁打はまさに努力でマークした立派な数字だ。
 1492試合連続フルイニング出場の世界記録保持者で「鉄人」と呼ばれた。若手の時、けがをして「痛い」というと、指導者から「痛いなら帰れ」と強制送還された。以来、「痛い」と口に出さなければけがではないと奮起。フルイニング記録継続中、骨折しても次の日に右手1本で2本のヒット(巨人戦だった…)、さらに右手1本でバックスクリーンへのホームランもあり、ただ記録のためだけに試合に出たのではないところが特筆すべき点だ。
 強打者だが、そのイメージとは逆に併殺打が少ないというのが「嫌な選手」の大きな理由。自身も誇りに思うことと問われれば真っ先にそれを挙げるという。現に1002打席連続無併殺打の日本記録もマーク。凡打してもチームのために全力疾走しなければ、達成できない記録だ。けがに強いだけでなく、どんな時も力を出し切るひたむきな姿勢が、多くの人をひきつけた。「アニキ」の根性論や泥臭い話はこのご時世では古臭いといわれるかもしれないが、終始敵対していた巨人のファンから見てもひかれる部分は多い。     (賀)

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