双方向に情報の質を見極めて

 メディアと呼ばれる情報媒体は、基本的に紙と電波に分かれる。前者は活字、後者は映像と音声だが、情報を伝えるうえでそれぞれ一長一短がある。新聞は読者が自分のペースで繰り返し読むことができるが、記事と写真を掲載する紙面の枚数、スペースに限りがあり、テレビは圧倒的な情報量を持つが、時間という絶対的な制限がある。
 インターネットは時間もスペースも制約がないが、そのために情報が整理されない。双方向、多方向のコミュニケーションは自由社会の象徴とはいえ、一方でテレビや新聞のような一方通行の気楽さがなくなり、「権利」ともいえる情報選択には質を見極める選球眼が求められ、面倒な労力も伴う。
 「海外で臨月の女性がフルマラソンを走った」という話。6時間25分で完走直後に陣痛が始まり、元気な赤ちゃんを産んだというのだが、大手テレビ局の報道番組がこんな笑えもしない、くだらないニュースでもなければ尺(時間)が稼げないのか。貴重な放送時間はあり余り、配信頼りのやっつけ編集としか思えない。
 テレビも新聞も、まちの話題には「出たい」「載せてもらいたい」という本音が透けて見えるどころか、丸出しの人も少なくない。臨月の女性のマラソンこそ、子どもに見せたくないお笑い番組のように視聴者の抗議が殺到すべきで、さらには走る女性の映像には「危険ですから絶対にマネしないでください」というテロップをつけ、ただの「いちびり」であることを明確に示さねばならない。
 テレビのネット化が進み、不況が質の低下に追い打ちをかける時代。自戒も込め、情報は送り手の選択が重要で、受け手の反応もより大切であると痛感する。   (静)

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