シリーズ 「うつ病」 ① 症状と治療法 

201098027-1.jpg 気分が落ち込み、何をしても晴れず、興味や喜びの感情がマヒした状態が続くうつ病。長引く不況も背景に、全国の患者数は年々増加傾向にあり、2年前に行われた厚生労働省の調査では初めて100万人の大台を超え、104万1000人に達した。病気に対する啓発により軽症者の受診増も急増の一因とみられているが、社会の病気に対する正しい理解、患者への対応はまだまだ十分とはいえないのが現状。今回からの新シリーズ「うつ病」、第1回は病気の概要と症状、その対応などについて、市内島の「むらがき心療内科クリニック」の村垣雅代院長に話を聞いた。(イラストは明治製菓㈱発行の 「メンタルヘルスBOOK」 から)
 うつ病とは、気分障害の一種で、気分が落ち込んだり不安・焦り、 精神活動の低下、食欲の低下、不眠などが主な症状となる脳の機能的な疾患。「気の持ちよう」や「心の弱さ」から起こるのではなく、興奮や不快感を鎮めるセロトニン、何らかの行動を引き起こすときに発生するドーパミン、神経を興奮させるノルアドレナリンなど脳内の神経伝達物質が減少することによって引き起こされる。これが現在の医学の標準的な考え方で、何らかの原因で神経伝達物質の行き来する量が減少するために、思考や感情が鈍くなるとみられている。
 日本人の生涯有病率 (一生のうちに一度はかかる割合)は6・16%といわれ、男性よりも女性の方が多く発症する。村垣院長によると、発症要因としては▽環境変化に対するプレッシャー(転勤、昇進、就職、結婚、出産、引っ越しなど)▽別れることの悲しみ(家族や友人の死、離別、失恋など)▽失うことのむなしさ(退職、失業、更年期、子どもの結婚・独立など)▽身体的ダメージに対する不安 (がんや脳こうそく、心筋こうそくなどの重い病気、大きなけがなど) が挙げられ、「遺伝的な要因はまだ明らかではありません。脳の器質的な病気との関係も明らかではありませんが、身体的な病気がある場合は発症率が高くなり、アルコール依存症の方も発症率が高くなります」という。
 診療所を訪れるうつ病患者の特徴的な言動は 「体がだるい」 「食欲がない」 「やる気が出ない」 「眠れない」 「迷惑をかけている気がする」などがあり、笑顔がなく暗い表情、 家族が 「最近笑わない」 というのも特徴。 うつ病になりやすい性格には 「真面目で几帳面、 完璧主義」 「頑張り屋で自分の中に閉じこもる」 というタイプが挙げられ、それぞれの対策としては減点主義になりすぎない、つらいときは周りの人に相談することが大切だ。
 治療には、休養をとり、環境を調整することが何より重要で、十分な休養と抗うつ薬等の薬の服用が基本。これに精神科医やカウンセラーによる精神療法も併用され、焦らずにじっくりと治療すれば一般的に半年から1年ほどで回復する。うつ病になる人は責任感の強い人が多く、「仕事を休むわけにはいかない」 「みんなに迷惑がかかる」 などと、休むことを拒みがちだが、中途半端な休養はかえって症状を悪化させることも。会社員などは長期の休職も必要になることがあるが、患者が安心して仕事を休めるよう、会社側の理解と対応、職場の仲間の協力、家族の支えが求められる。
 薬物療法では脳内神経伝達物質のバランスの乱れを正常に戻す抗うつ薬が中心となり、必要な場合は抗不安剤や睡眠導入剤を追加。症状が改善するに伴い、量を減らし、中止する。「薬を止めると再発するので、ずっと飲み続けないといけない」いうことはなく、最近の抗うつ薬はセロトニンやノルアドレナリンに選択的に作用して効果を発揮するため、副作用も以前の薬に比べて少なくなっているという。抗うつ薬には飲みはじめの吐き気、便秘、口の渇き、抗不安剤には眠気やふらつき、睡眠導入剤にはふらつきや翌日に残る眠気などの副作用があり、睡眠導入剤で脳の働きが悪くなるということはまったくない。また、うつは再発することもあり、再発の原因としては早すぎる服薬の中断が多く、治ったあとの再発予防が非常に大切になる。
 うつの典型的な兆候は、気持ちが沈むことと、いろんなことに興味を失い、楽しめなくなること。これらが2週間以上続くときは、うつの可能性があり、疲れやすい、眠れない、食欲がないなどといった体調不良が、身体的な原因がないのに長期間続くときも要注意。「うつかな」と思ったときは、精神科、神経科、メンタルクリニック、心療内科が受診先で、よく分からないときはかかりつけ医に相談すればよい。
 9月20日の「空の日」に合わせ、白浜町の南紀白浜空港で同月18日、 航空機の展示やアクロバット飛行、管制塔見学会などのイベント 「空の日フェスタ2010」 が開かれる。
 多くの人に和歌山県の空の玄関である南紀白浜空港に親しんでもらい、空港の利用を促進することが目的。当日は屋上展望デッキが無料開放され、イベントは午前11時20分の県防災航空隊と県警航空隊ヘリコプターのオープニング飛行で始まり、自衛隊や海上保安庁、民間等の航空機展示、管制塔見学会(事前申し込み必要)、JAL航空教室(同)、小型航空機遊覧飛行(同)などがある。
 詳しい問い合わせはは空港管理事務所℡0739・42・2348まで。
 

関連記事

フォトニュース

  1. 24日はぜひ来てくださ~い

Twitter

戦争連載2018

  1. 忘れえぬ秩父宮殿下の御訪満 元満州国日本大使館書記官の林出賢次郎氏が満州国執政…
  2. 大陸進出から満州国建国へ  大正から昭和初期にかけての1920年代、日本国内は相次ぐ恐…
  3. 栄えた満州での生活  1931年(昭和6)、柳条湖事件に端を発して満州事変が勃発し、関東軍は満…
  4. カズミちゃんの家に爆弾が直撃 日高町比井の小瀬静代さん(83)は1935年(昭和10)1月3日…
  5. 横須賀の海軍工作学校で訓練 20歳で軍務に服する義務だった徴兵制に対し、本人の意思で入隊する志願制…
ページ上部へ戻る