トップページ > 日高春秋>

ごみ処理場もお城に

2018年1月13日

 地方創生事業を進めている美浜町には協議会の委員や講演会の講師として、町外から町づくりの専門家がよくやってくる。会議や講演を取材すると、「美浜町は魅力がいっぱい」との言葉がよく出てくる。地域住民は気がついていない、「宝」が眠っているということだ。


 昨秋に高校野球の取材で大阪市此花区へ行ってきたのを思い出した。電車とバスを乗り継ぎ、球場を往復した際、バスの車窓からひと際目を引く、きらびやかな建物の前を通過し、スマホで写真を撮った。舞洲ごみ焼却場だ。インターネットで調べてみると、自然環境と共生することを目指した舞洲のシンボルとして、外装デザインを重視して建てられた施設。有名な建築家であるフンデルトヴァッサー氏が設計した。建物は白、黒、茶色、黄色など色とりどりの外観で、金色の球体などでも飾られている。建設当初は「税金の無駄遣い」と批判も多かったが、無料で工場見学ができるとあって、いまでは年間1万2000人ほどが訪れる「観光名所」にもなっている。無料、さらに日本の技術と芸術が一度に楽しめるから、見学者の3割は外国人というから少し驚きだ。日本人には「無駄」にしか見えなくても、海外の人にはとても価値があるようだ。


 美浜地方創生事業の舞台、三尾地区。昨年末に訪れたリノベーション(再生)の専門家からは「イタリアのリビエラを思わせる切り立った山肌が続く海岸」との感想もあった。先入観を持たずにみればごみ処理場も「お城」に見えなくもない。開発されていない自然や古い町並みは宝、可能性のかたまりであり、視点を変えて魅力に気がつけるかどうかが地域再生への第一歩とあらためて思う。   (賀)


関連記事

by weblio


 PR情報
 更新情報
1月29日  写真集に日高地方駅伝と印南商店街駅伝を追加