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ベトナムの森林行政官ら梅システムを視察

2016年4月15日
石神梅林で梅の木を見ながら説明を受ける訪問団

 ベトナム政府や同国地方自治体の森林政策担当者ら12人が13日、田辺市を訪れ、世界農業遺産に認定された「みなべ・田辺の梅システム」について市の職員から説明を受けた。ベトナムは人口の約3割が森林など自然の資源に依存した生活を送っており、森林の持続的管理は貧困の解消や地方開発においても重要な課題。中国との国境に近い北西部の森林では梅の栽培も盛んだという。


ベトナムでは昨年8月から日本のJICA(国際協力機構)の協力により、森林など自然資源に依存している人たちの所得向上を第一として、森林政策支援や森林の管理、生物多様性の保全などに取り組む「持続的自然資源管理プロジェクト」が進められている。今回はプロジェクトのチーフアドバイザーとしてJICAから派遣されている日本人の宮薗浩樹さん(ハノイ在住)のほか、日本の農林水産省、環境省に当たる農業・農村開発省、天然資源環境省の幹部職員、北部のライチャウ省や南部のラムドン省など4つの地方自治体の農林政策担当職員らが来日。13日から2日間、和歌山県に滞在し、みなべ・田辺の梅システムの梅林、和歌山森林管理署、田辺市の林業・製材事業所、白浜町内の民有林などを訪問、視察した。


 13日午後は田辺市役所でみなべ・田辺の梅システムに関する研修が行われ、池田正弘副市長が歓迎のあいさつを述べ、JICAの宮薗チーフアドバイザーがベトナムでのプロジェクトの概要を説明。続いて廣畑賢一梅振興室長が梅システムの概要、みなべ・田辺の梅システムの説明を行い、斜面を活用して薪炭林を残し、水源を保ち、ウバメガシを活用して生まれた特産「紀州備長炭」の製炭技術など、400年にわたり高品質な梅を持続的に生産しながら、生物多様性や独特の景観、農村文化を築いてきたことなどを通訳を介して伝えた。


 最後にベトナム側の代表が謝辞を述べ、「みなべ・田辺の梅システムは私たちにとってたいへん興味深く、すごく有意義な話だった。ベトナム北部にも広大な梅林があり、今回の訪問を通じて、生産から加工、出荷、流通までのノウハウを学び、ベトナムで応用していきたい」などと述べた。


 田辺市役所での研修終了後、ベトナムの訪問団は上芳養の石神梅林に移動。「ひと目30万本」と呼ばれる田辺を代表する急斜面の梅林に立ち、梅システムの一端に触れた。


 市役所からバスで約20分、石神梅林は海抜約300㍍の会津川の上流近くにあり、観梅シーズンには眼下の海に向かって斜面いっぱいに梅の花が広がり、ことしも多くの花見客でにぎわった。


 市の廣畑梅振興室長は薪炭林のニホンミツバチが花粉を運び、木の下のネットが熟して落果する梅を受け止め、ネットの下の草がクッション代わりとなって傷がつかないことなど、高品質な果実を生産・収穫できる効率的な梅システムを説明。あいにくの雨のなか、訪問団一行は傘をさしながら梅の木や土に触れ、写真を撮ったり熱心に質問する姿がみられた。


 ベトナムでも梅は盛んに栽培されているが、日本のような梅干しを食べる習慣はなく、乾燥梅のドライフルーツや梅酒などの商品が好まれているという。


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