体に障害があるため、76歳になった現在まで学校に通ったことがなく、支援学校への入学を要望していた美浜町の中橋健さんが4月から、地元のみはま支援学校に通うことになった。支援者が7000人以上の署名を提出した結果、県教委が中学部3年生への編入を許可。言葉が不自由な中橋さんは文字盤を1字ずつ指し示しながら、「皆さんのご支援のおかげ。とてもうれしいです」と笑顔ながら、4年間の学校生活を乗り切れるかという年齢的な不安ものぞかせる。
中橋さんは知的障害はないが、子どものころの高熱の後遺症で手足が不自由となり、思うようにしゃべることもできない。会話は主に文字盤を使って行い、現在は美浜町の養護老人ホームときわ寮に入所している。体が不自由で、学校でいじめられることを心配した祖母が就学免除の措置をとったため、小中学校には通うことができなかった。和歌山病院の重症心身障害児者病棟に入院中にみはま養護学校が開設されたときも、40歳を過ぎていたため、「学齢期を超えている」という理由で入学はかなわなかった。しかし、「みんなと同じように学校で学びたい」という思いは消えることがなく、昨年、障害者の生活と権利を守る御坊日高連絡協議会(山田慈子会長)などの支援者が署名活動を展開し、県教委に対して7000人以上の署名を提出。今回、みはま支援学校中学部3年生への編入という形で就学が認められた。
中橋さんは「(障日協の)川口先生らに署名を集めていただいた結果、県教委が認めてくれ、喜んでいます。学校ではすべての教科を習いたい」と笑顔。しかし、76歳という年齢から不安もあり、「うれしいことはうれしいけど、いつ認知症になるかもわからず、高校卒業までの4年間、頑張れるともこの場では約束できないと思います」という。
障日協の山田会長は「今回の運動では、障害者や年齢に関係なく、だれもが教育を受ける権利を有しているということ、その大切さがあらためて確認されたと思います。私たちの要求を真摯に受け止めて下さった県教委、学校関係者に対しても深く感謝しています」と話している。