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情熱の火は燃え尽きない

2010年9月 1日

 金賞は、和歌山県立、日高高等学校です――。十数年前の夏に聞いた言葉が、いまでも鮮明に耳に残っている。高校入学後、合唱部に入部し、初めて出場したNHK音楽コンクールの県大会。舞台でどのようにうたったのか、観客の様子はどうだったかなどは無我夢中で覚えていないが、結果を発表した司会者の声とすぐあと爆発した歓喜の瞬間だけはいつまでたっても新鮮な記憶のまま、思い出すたびに胸が熱くなり、鳥肌がたつ。
 時代は流れ、現在は混声合唱から女声合唱になり、人数も8人と少なくなってしまった合唱部だが、今でも毎年同じコンクールに出ている。ことしの結果は銀賞。しかし、恩師で元顧問の満澤由美さんから、銀賞は銀賞でも審査員の間で「人数の少なさを思わせない演奏。合唱は人数じゃない」と話題になっていたとの裏話を聞いた。8人という少なさは、1人でも休むと演奏が成り立たないぎりぎりの人数。並々ならぬ努力でそこを乗り越え、さらに審査員を感動させる演奏ができたことに、曲がりなりにもOBとして誇りに思い、拍手を送りたい。
 子どもたちのスポーツや文化などさまざまな活躍を取材させてもらうことが多いが、競技や種目、大会の大小は関係なく、その一生懸命さにふれるたびうれしくなる。結果にともなう感動や喜び、そして悔しさ、そのときはただの感情に終わるように思うが、その経験が人生の糧となり、いずれ人としての魅力に変わりゆく。よく「この大会で燃え尽きた」などという言い方をするが、全力で取り組んだ情熱の火は燃え尽きることなく、一生心に灯り続ける。この夏、さまざまなドラマを見せてくれた子どもたちに感謝の気持ちを込めてこのメッセージを送る。        (と)

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