和歌山市で先日、全日本教職員組合の教研集会全国大会が開かれた。主会場の県民文化会館周辺は集会に反対する団体の街宣車がつらなり、県警は総動員体制で警戒。県庁へ入ろうとすると、機動隊員に身分証明を求められた。ヘルメットにプロテクター、盾のほか、必要なら武器を使って敵をねじ伏せる。この「強さ」こそ、機動隊の存在価値である。
日本という国を考えた場合、外からの脅威に対抗するのは自衛隊。幸いにして65年間、「平和」が続くなか、残念ながら国民のリスペクトは大きいとはいえない。この週末、日高港で海自掃海艇の一般公開も行われたが、ごく単純に、かっこいい戦争映画のような軍艦や兵士を身近に感じるという意味の「ふれあい」どまり。持てる力をかけらも発揮できない自衛隊は、他国になめられ、「強さ」を示せないため自国民にすら尊敬されていない。
自衛隊とともに海の安全を守る海上保安庁のヘリが墜落した。5人が死亡した事故の記者会見で、司法修習生のためのデモ飛行だったことを隠していた。「検察に対する遠慮」「名前を出して怒られるのが怖かった」という内部の声もあるが、検察庁が怖くて実弾を撃ってくる不審船に対抗できるわけがない。
この平和のなか、「九条を守れ」と叫ぶ人たちは、さぶい視線を浴びならも行動を起こしているが、その他、大多数の国民は自衛隊を忘れてしまっている。このままでは彼らが存在価値を示すため、自ら危機をつくり出さないとも限らない。という話ははたして大げさなのか。
70年前の現実と、今回のヘリ墜落の組織的な情報隠し、保身体質...。銃口がちゃんと外に向けられているのか不安になる。 (静)