市は平成21、22年度で認知症地域支援体制構築推進事業を実施しているが、同事業に携わっている大阪大学大学院人間科学研究科の斉藤弥生准教授が21年度の事業報告書をまとめた。その中で「地域で認知症患者を支えるまちづくり」のモデル地区に指定した藤田について「すでに住民の意識が高く、さまざまな取り組みが展開されている」と"及第点"の評価を付けた。
認知症地域支援体制構築事業ではまずモデル地区を選定して、地域で認知症患者を支えるまちづくりの体制を構築。モデル地区から市内全体に取り組みを広げていく。斉藤教授は市から委託を受けてモデル地区となった藤田での意見交換会でアドバイザーを務めたり、福祉施設の運営協議会に出席するなどでまずは現状を調査し、報告書をまとめた。それによると、藤田地区には平成18年10月に市内初の認知症対応の地域密着型複合施設「あがら花まる」が開設されたほか、20年度に認知症サポーター養成講座も開講。さらに市社会福祉協議会の高齢者デイケアサロンが活発な地域。認知症患者との交流、閉じこもり防止、見守り活動など、地域住民のボランティア意識も高く、「藤田は今後特別な取り組みをしていかなくても地域で認知症患者を支える十分な体制ができている」と評価している。
これを受けて市は本年度も地域住民や一般企業の職場を対象にした認知症サポーター養成講座の継続実施、11月に介護職員対象の研修などを企画。藤田に引き続き、新たにモデル地区を指定するかどうかは検討中だが、市内全体に地域で認知症患者を支えるまちづくりを拡大していくことが課題となっている。認知症地域支援構築体制推進事業は御坊市が白浜町に続き県内で2番目に実施しており、取り組みが注目されている。