田辺市龍神村で地域おこしに取り組む有志で結成する「みらい龍神」が地元のサトイモを原料に使った焼酎「てち」と「ほいも」の2種類をつくり、販売を開始した。予約の受付を開始したところ、「てち」は約1時間で100本が完売するという好評ぶり。「ほいも」も順調な売れ行きをみせている。
龍神村で栽培されるサトイモは寒暖の差が大きいため、甘みと粘りが強く、小ぶりながらもどっしりとした味わいがあるという。みらい龍神では「サトイモの良さを焼酎を通じて広く知ってもらい、地域の特産としていきたい」と昨年から本格的に手がけた。農家らにサトイモの栽培を依頼し、長野県の酒造会社で製酒した。商品名の「てち」と「ほいも」はいずれも龍神の方言で、「てち」は物凄いという意味。「ほいも」は同地域でサトイモを表す言葉だという。龍神らしさが焼酎に表れていて、いいネーミングだと思う。
筆者は旅行に出かけると、土産には地酒か漬物を探すことが多い。理由はそれぞれに土地の風土や人柄などが凝縮されているように感じるからだ。今回、商品化した「てち」と「ほいも」はまだ味わったことがないが、きっと日高川のように清らかで、龍神の人々のように優しい味わいの焼酎に仕上がっているのだろう。
商品のパンフレットには「里芋は親芋から子芋や孫芋と広がって命を繋げます」と書かれている。サトイモ焼酎の取り組みは始まったばかりで、いまは栽培農家も少ない。しかし、サトイモが子芋、孫芋へと広がるように、取り組みが人から人へと伝わり、"てち"大きな地域おこしの輪ができることを期待したい。 (雄)