トップページ > 社会>

介護事業所の労働環境 6割に問題あり

2010年6月27日

 県内の介護保険サービス事業者など介護・福祉事業所の約6割に何らかの労働環境面の不備や問題点があり、事業所と労働者の増加に伴って、労働災害件数も増加傾向にあることが和歌山労働局の初の本格実態調査で明らかになった。有田、日高地方の御坊労働基準監督署管内で労働安全衛生法違反などの問題点があったのは74カ所中38カ所の51・4%で、5つの署別で最も低くなっている。

 介護保険サービス提供事業者としての認定を受けている県内581の法人(医療施設と用具販売貸与のみは除く)を対象にことし1月、自主点検票を郵送し、返信のあった533法人のうち有効回答数は全体の87%の505法人。老人ホームやデイサービスセンター、ホームヘルプなど事業所の数は663カ所となり、このうち62・7%の416カ所で労働環境面に何らかの問題点があった。
 
 問題点のあった割合が最も高かったのは、労働者が10人以上50人未満の事業所の衛生推進者の未選任(53・3%=労働安全衛生法違反)で、次いで労働者が50人以上の事業所の衛生委員会の未開催(44・1%=同)、労働者が50人以上の事業所の産業医・衛生管理者の未選任(27%=同)、法定労働時間以上の労働に関する届け出がない等の36協定違反(20・5%=労働基準法違反)――など。問題点のあった事業所の割合を県内各労働基準監督署別にみると、最も高いのは新宮の84・6%、次いで田辺68・8%、橋本65・7%と続き、有田地方と日高地方(みなべ町を除く)を管轄する御坊は51・4%で最低、他地域に比べて労働安全意識が高く、労働条件の基本的枠組が確立しているとみられる。
 
 介護保険サービス事業者は平成12年の制度スタート以来、年々増加傾向にあり、21年中の休業4日以上の労働災害件数は73件で過去最多。建設業や製造業などを含めた県内の全産業の労災件数は減少傾向にあるが、社会福祉施設のうち子どもの保育所等を除く高齢者の介護・福祉施設に限ってみると、18年以降は44件、58件、70件、73件と右肩上がりで推移している。昨年は「利用者送迎中の交通事故で頭にけがをした(休業6カ月)」「バケツを持って歩いていたら床が濡れていたため転んで腕を骨折した(休業3カ月)」など3件の大きな労災が発生した。
 
 これらの結果をふまえて、和歌山労働局は本年度、介護・福祉事業所に対して重点的に監督指導を実施するという。

関連記事

powered by weblio


 PR情報
 PR情報
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)